大失敗である。
悔しい。
残念だ。
私は、実に素直な<本好き>であり、誠に単純な<活字好き>であり、チラシ広告の文章だって楽しんでしまうほうだ。
そんな私でも、やはり相性の悪い作家さんとか、合わない作品というのはあるわけで、今回は、まさにソレだった。
長嶋有さんの『ねたあとに』である。
登場人物は、ある山荘に暮らす、ちょっと変わった父と子。そして、そこに集う、これまたちょっと不思議なキャラの人々。彼らの、ひと夏のお話だ。
全編を通じて、いくつものオリジナル風ゲームというか、遊びが出てくる。
たとえば、麻雀牌を使った「ケイバ」と呼ばれるもの。サイコロを使った「顔」。そうそう、アレンジされた「軍人将棋」もある。
本人たちは面白がっているが、読んでいる私は、あまり楽しめない。いや、このゲームだけでなく、小説全体に対して、どうにもノルことができなかった。
ストーリーが波乱万丈でなかろうと、筋らしい筋がなかろうと、微妙なニュアンスのみを味わうものであろうと、たいていの小説は、それなりに楽しんでしまうのだが、この作品は、うーん、どうにもこうにもダメでした。
奥付を見て分かったのだが、この作品、朝日新聞の連載小説だった。
私は、長編小説が連載物の場合、基本的に新聞や雑誌の連載時には読まない。単行本になってから読ませていただく。
だから、朝日新聞は購読しているのだが、この小説は読んでいなかった。いや、もしも連載時に、一度でも目を通していたら、今回、こうして単行本を手にしなかっただろう。
しかし、それにしても、朝日新聞の読者の方々は、1年もの間、これを毎日、読んでいたんだろうか。読んで、楽しめたんだろうか。聞いてみたいような気がする。
そういえば、長嶋さんの芥川賞受賞作『猛スピードで母は』も、当時、読んでみて、まったく馴染めなかったのだ。ついさっき思い出した。
『猛スピードで母は』の後、しばらくして、「そろそろどうかな」と思い、読んでみたのが『エロマンガ島の三人』。
これもダメだった。それなのに、また手を出してしまったのだ。
大失敗。後悔。残念。でも、私が悪い。
『ねたあとに』を、無理をしながら、辛抱して読み終わったのが、ちょうど某病院のロビーだった。気分は落ち込んでいた。
で、何とか“口直し”をしたくて、売店に走った。
もちろん、あまり目ぼしいものがあるはずもなく、購入したのは、東海林さだおさんの文春文庫の新刊『ショージ君の養生訓』である。
病院の売店で入手した“養生訓”というのも出来すぎだが、そこはショージ君。健康法に関しての、笑えるエッセイや対談が満載で、かなり“口直し”になった。慰められた。
ショージ君に感謝です。
悔しい。
残念だ。
私は、実に素直な<本好き>であり、誠に単純な<活字好き>であり、チラシ広告の文章だって楽しんでしまうほうだ。
そんな私でも、やはり相性の悪い作家さんとか、合わない作品というのはあるわけで、今回は、まさにソレだった。
長嶋有さんの『ねたあとに』である。
登場人物は、ある山荘に暮らす、ちょっと変わった父と子。そして、そこに集う、これまたちょっと不思議なキャラの人々。彼らの、ひと夏のお話だ。
全編を通じて、いくつものオリジナル風ゲームというか、遊びが出てくる。
たとえば、麻雀牌を使った「ケイバ」と呼ばれるもの。サイコロを使った「顔」。そうそう、アレンジされた「軍人将棋」もある。
本人たちは面白がっているが、読んでいる私は、あまり楽しめない。いや、このゲームだけでなく、小説全体に対して、どうにもノルことができなかった。
ストーリーが波乱万丈でなかろうと、筋らしい筋がなかろうと、微妙なニュアンスのみを味わうものであろうと、たいていの小説は、それなりに楽しんでしまうのだが、この作品は、うーん、どうにもこうにもダメでした。
奥付を見て分かったのだが、この作品、朝日新聞の連載小説だった。
私は、長編小説が連載物の場合、基本的に新聞や雑誌の連載時には読まない。単行本になってから読ませていただく。
だから、朝日新聞は購読しているのだが、この小説は読んでいなかった。いや、もしも連載時に、一度でも目を通していたら、今回、こうして単行本を手にしなかっただろう。
しかし、それにしても、朝日新聞の読者の方々は、1年もの間、これを毎日、読んでいたんだろうか。読んで、楽しめたんだろうか。聞いてみたいような気がする。
そういえば、長嶋さんの芥川賞受賞作『猛スピードで母は』も、当時、読んでみて、まったく馴染めなかったのだ。ついさっき思い出した。
『猛スピードで母は』の後、しばらくして、「そろそろどうかな」と思い、読んでみたのが『エロマンガ島の三人』。
これもダメだった。それなのに、また手を出してしまったのだ。
大失敗。後悔。残念。でも、私が悪い。
『ねたあとに』を、無理をしながら、辛抱して読み終わったのが、ちょうど某病院のロビーだった。気分は落ち込んでいた。
で、何とか“口直し”をしたくて、売店に走った。
もちろん、あまり目ぼしいものがあるはずもなく、購入したのは、東海林さだおさんの文春文庫の新刊『ショージ君の養生訓』である。
病院の売店で入手した“養生訓”というのも出来すぎだが、そこはショージ君。健康法に関しての、笑えるエッセイや対談が満載で、かなり“口直し”になった。慰められた。
ショージ君に感謝です。
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