うーん、参ったなあ。ほんと、参った。
映画『ヤッターマン』のことだ。
アニメは毎週テレビで見ていたし、ドロンジョ様の大ファンだし、『ゼブラーマン』の三池崇史監督だし、これは行かなきゃ、ってんで映画館へ。
観ました。
でも、でもですねえ、困ったわけです。
どーにも弾まない。わくわくしない。こんなはずじゃなかったんだけど。
アニメには忠実なのだ。
おなじみのキャラ、メカ、フレーズ、ギャグも、きっちり“実写”している。それは「ご苦労さまです」と言いたくなるくらい。
それなのに・・・。
ドロンジョの深田恭子サンも、例のボンデージ・ファッションでしっかりキメて、頑張っている。でも、もっと弾けてもよかったよね。
ヤッターマン1号・2号は、桜井翔クンと福田沙紀チャン。
桜井クンは27歳とも思えぬ若々しさ(?)で、また、沙紀チャンは何も考えていなさそうな(実際は知らないけど)横広がりの笑顔で、それぞれ楽しそうに演じていた。
楽しくないのは観客ばかりかも。
いつもアニメでやっていたドロンボー一味による歌やダンスも、映画で再現されている。でも、「ワンコーラスで十分です」とお願いしたくなった。
さて、この事態、一体なぜだろう。
脚本が悪かったのかなあ。映画は脚本だもんなあ。
その意味では、もっとテレビアニメから逸脱してもよかったんじゃないか、とも思う。
しかし、美術はすごかった。これは賞賛に値する。
破壊された渋谷ならぬ「渋山」の街。武富士じゃなくて「山富士」、109じゃなくて「107」の看板。ハチ公じゃなくて「ハッチ(タツノコプロだもん)公」の像。もっとじっくり見たかった。
ヤッターマンの基地である地下ガレージも雰囲気だ。部屋の隅々まで、くすっと笑えるアイテムが所狭しと並べてある。
そして、衣装。
特に、あのボンデージ着用の深田恭子サン。マニアは、ひたすら拍手だろう。ただし、何もしないで立っているときが一番美しかった。
スポーツ紙には「7、8日の2日間で約38万5000人を動員、興行収入4億5000万円を突破し、週末の映画興行成績で1位を獲得」とあった。興行収入も50億円を目指しているそうだ。
ホンマかいな?
ワタクシが観た映画館では、決して多くない観客のうち、上映中に、少なくとも3人が“途中退席”した。出て行っちゃった。最近では珍しい光景だ。
確かに、久しぶりで「退屈」とか「眠気」という文字が正面から襲ってきたが、必死で戦った。
1800円の料金は惜しくない。でも、正直言って、時間はちょっと惜しかった(笑)。
映画のエンドロールの後で、「次回予告編」が流れて、またびっくり。
え~、続編あり、だったの?
大丈夫、なんでしょうか。
とはいえ、<世紀の怪作>を、劇場で身銭を切って観たことは、これはこれで“得がたい経験”。頭の中に、しっかりインプットしておこう。
ポチッと、な。
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