碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『20世紀少年』全巻読破マラソンレース

2009年03月08日 | 本・新聞・雑誌・活字

我が家の<プチ『20世紀少年』ブーム>が続いている。

家族全員が映画の第1章、第2章を観終わり、次は、やはり、「原作を読みたい!」ということになった。

ここは家長としての責任(?)もあり、浦沢直樹さんの漫画『20世紀少年』全巻確保へと動いた。

いくつか品切れの巻もあり、その収集活動は困難を極めたが(オーバー)、先日、ついに『20世紀少年』全22巻&『21世紀少年』上・下巻の計24冊がそろった。

それ以来、順番に回し読み、というか“時間差スタート”で、全巻読破マラソンレースが開始された。

出資者としての権利で、ワタクシが先陣を切ったのだが、途中、2番手である娘に追いつかれるという事態が発生。トップの座を奪われた。

娘はそのまま逃げ切って、ゴール。ただし、内容に関わることは、他の家族に一切口外しないと約束させた。

続いて、ついさっき、私も読了。

息子が間もなくゴールを迎えるし、その母親は、周回遅れを気にもせず、じっくりと読み進めている。

あらためて言うのもヘンだが、これは本当に“とんでもない傑作”だ。

連載は8年という長期に渡ったし、その時は細切れで読んでいたから、少し印象が違った。しかし、今回、一気に物語を体感してみて、その全体像、構築された世界観に脱帽した。

特に、1960年代末から70年代はじめ、という登場人物たちの“20世紀少年時代”には、どーんとハマってしまった。どきどきした。

たとえば、1970年の大阪万博が、当時の子どもたちにとって、どんなお祭りであり、イベントだったか。これは親や先生をはじめ、当時の大人たちにも想像がつかないだろう。

『20世紀少年』は、大阪万博の意味を描いた初のコンテンツじゃなかろうか。なーんてことまで思わせてしまうチカラが、この作品にはあるのだ。

今、我が家では、ケンヂも、オッチョも、ユキジも、ヨシツネも、マルオも、モンちゃんも、みーんな、まるで親戚か親しい知人のように、フツーに会話の中に登場している。

「そういえば、さっきオッチョがさあ・・・」みたいな感じだ。

映画『20世紀少年』の第3章の公開は、確か8月。まだまだ先だ。

娘は、「今度は『モンスター』全巻に挑戦したいなあ」などと勝手なことを言い始めた。困ったもんだ。

私は、もうしばらく『20世紀少年』の世界を味わっていたい。気になる部分の再確認もしたいし。

いやあ、それにしても、すごい漫画です。

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