碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

BS世界のドキュメンタリー『ラストカット』

2009年03月09日 | テレビ・ラジオ・メディア
いいよねえ、BS。

昨夜、“見もの”だったのは、NHK衛星第一のBS世界のドキュメンタリー『ラストカット~ファインダーが見たブッシュ大統領の8年』だ。

雑誌「TIME」を中心に活躍するフォト・ジャーナリスト、クリストファー・モリスを取り上げていた。

なぜ、この写真家を?

モリスは、この8年間、ブッシュ大統領を撮り続けてきたのだ。

元々戦場カメラマンだったが、「TIME」の依頼で、ブッシュに密着することになる。

ホワイトハウス内部からプライベートまで、トータルで撮った写真が10万カットを超えるそうだ。

中でも、2001年の9・11テロ事件の後、“戦争”を決めた時の執務室内部の写真は圧巻だった。ブッシュの緊迫した表情が様々なことを語っている。

テロ直後の、高い支持率の頃、モリスはブッシュが苦手だったという。逆に、国民の気持ちが離れ始めてから、少しずつ平気になっていったそうだ。

その<ラストカット>は、オバマ大統領の就任式の際に撮られる。

「国民に愛され、嫌われた大統領」といわれるブッシュと歩んできたアメリカの8年。

モリスは言う。「自分の役割は、歴史家のように、記録に残すことだ」と。

このドキュメンタリーを見ていて、一番感じるのは写真のもつチカラだ。

ビデオという“動画”ではなく、写真という“静止画”だからこそ、逆に伝えられるものがたくさんあることを、あらためて思った。

My America

Christopher
 Morris

このアイテムの詳細を見る