碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「のど自慢」グランドチャンピオンに拍手

2009年03月15日 | テレビ・ラジオ・メディア
毎年この時期に行われるのが、NHK「のど自慢」チャンピオン大会だ。

日曜ごとに誕生する全国各地のチャンピオン。その中から選ばれた人たちの歌が聴けるわけだが、その歌が、それぞれ、びっくりするくらい素晴らしくて、毎年、楽しみにしている。

昨夜、今年のチャンピオン大会の様子が中継された。

出場の15組は、年齢・性別・地域もバラエティに富んでいるが、抜群の歌唱力は共通している。ほとんど差がない。全員を優勝させたくなるほどだ。

最終的に、今年度のグランドチャンピオンとなったのは、井上美優さん。歌ったのは絢香の「三日月」だ。

声につやとのびがあり、気持ちも入っていて、聴いていると、実に気持ちいい。優勝もうなづける。

井上さんは群馬の盲学校に通う16歳だ。

受賞後、ステージ上で、あらためて「三日月」を歌う彼女の後ろには、お母さん、おばあちゃんが涙を流しながら立っていた。

彼女は最後まで、堂々と、しっとりと、歌いきった。

拍手!でした。

そういえば、2年前のチャンピオン大会でも、優勝したのは全盲の少年だったなあ、と思ったら、井上さんはその時の少年(今は18歳になる清水博正さん)の後輩だそうだ。

すごいぞ、群馬県立盲学校。

歌が、そして歌うことが、井上さんや清水さんを内側から支え、強くし、自分を表現する大事なツールになっているのかもしれない。

今度は、グランドチャンピオンたちを集めたコンサートが見たい、というか聴きたくなった。

そういえば、『のど自慢』という井筒監督の映画もあったなあ。

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