碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『アンノウン』のベルリン、メルセデス、ヒッチコック

2011年05月18日 | 映画・ビデオ・映像

映画『アンノウン』を観た。

米国人の医学博士マーティン・ハリス(リーアム・ニーソン)が、訪問先のベルリンで交通事故に遭う。

助かったものの、意識を取り戻してみると、一緒に来ていた妻が自分のことを、なんと「知らない」と言い張るのだ。

しかも、妻の隣には自分と同じ名前を名乗る男がいて、「夫」として振舞っている。

そんなバカな。

「マーティン・ハリスは私だ、そいつは偽者だ」と叫ぶが、自分を自分だと証明できるものは身につけていない。

それに、事故のせいで記憶に欠損がある。

つまり「私こそが私だ」と主張するにも、どこか自信がなくなってくる。

これは怖い。

とにかく、脚本がよく練られている。

そして、リーアム・ニーソン、頑張ってます。

前作『96時間』も悪くなかったけど、これはもっといいです(笑)。

女優陣には、『イングロリア・バスターズ』のダイアン・クルーガー。
キュートです。

妻役はジャニュアリー・ジョーンズ。ちょいセクシーです。

それから、ロケ地である冬のベルリンが実にいい。

『ベルリン・天使の詩』などはあるが、映画で頻繁に見かけないこともあり、街の映像が新鮮だった。

タクシーが、とにかくメルセデスばっかり(笑)。

230も、古い190も使われていたけど、たぶんディーゼルだと思う。

それに某国の王子が、メルセデスのスーパースポーツカーである、「SLS AMG」で乗りつけたり。

ガルウイングドアで、お値段2430万円(笑)。

そうそう、作品全体から、ヒッチコックの香りもしました。

おススメできる1本です。