後楽園の近くにある文京区民センターへ。
新聞労連が主催する新聞研究集会に参加した。
テーマは「巨大災害とメディア~ソーシャルネットワークは報道を変えるか~」。
シンポジウムもあったが、聞きたかったのは被災地の新聞社の方々による現地報告だ。
まず、「河北新報」の樋口隆明さん。
新聞社は総力をあげて記者たちをバックアップした。
「記者たちは自分たちが目の前にあることを伝えるだけになってしまったこと、なかなか俯瞰する視点を持てないこと、そのジレンマに悩んでいた」という言葉が重い。
「河北新報」は一日も途切れずに宅配を続けた。
「紙のメディアであることを誇りに思います」と樋口さん。
続けて、「岩手日報」の鹿糠敏和さんと及川純一さん。
当日、大船渡で自らも被災しながらも、取材を続けた鹿糠さんの証言が生々しい。
「俯瞰の記事は応援の記者に任せて、自分は市民のための報道をこころがけた」
しかし、「事実が大きすぎて、事実に書かされていた」
これからも「最終ランナーとして、市民(被災者)に寄り添っていく覚悟」だと語った。
及川さんは、電波(テレビ・ラジオ)も何もない避難所で、自分たちが持参した新聞を「とても有難い」と言って受け取ってもらったことが印象に残るという。
その上で、「沿岸部と内陸で読者の意識にズレがあった」という話が興味深かった。
帰りがけに受付で、河北新報社発行の特別報道写真集「巨大津波が襲った 3・11大震災~発生から10日間の記録~」を購入し、区民センターを出ました。