碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『アジャストメント』は、ちょっと肩すかし?

2011年06月01日 | 映画・ビデオ・映像

映画『アジャストメント』を観てきた。

理由その1、マット・デイモンの主演だから。

なんだかんだ言っても、彼が出ているものは、ほとんど観てきた。

理由その2、原作がフィリップ・K・ディックだから。

古くは『ブレードランナー』、そして『マイノリティ・リポート』などが映画化されている。

『アジャストメント』の原題は、「アジャストメント・ビューロー(調整局)」。

映画を観れば、「なるほど」と納得だ。

誰かが、私たちの“運命”を調整しているとしたら・・・・というお話である。

マット・デイモンが演じているのは、スラム出身の政治家、デヴィッド・ノリス。

現在は下院議員で、次に目指すは上院だ。

偶然出会ったバレリーナのエリースを好きになる。

エリース役は『プラダを着た悪魔』や『ガリバー旅行記』のエミリー・ブラント。

この二人の恋を、何者かが邪魔するんですね。「運命に反する」と言って。

ま、後はスクリーンでお確かめ下さい(笑)。

全体としては、「うーん、そういうお話なわけ?」というか、「これでいいの?」というか。

もちろん、それなりの“陰謀”なんかもあるんだけど、結局、物々しい「運命調整局」が総力を結集して、この1組の男女に関わっているだけなのが、何だかもったいないような・・・。

もっと壮大な物語をイメージしていた分、ちょっと肩すかし。

はじめから、異色の“ラブ・サスペンス”だと思って観れば、十分楽しめる1本かもしれません。