碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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テレビ東京の「連続不祥事」をめぐって

2011年06月15日 | テレビ・ラジオ・メディア

テレビ東京の連続不祥事が報じられている。

まず、産経新聞。

テレ東「ありえへん∞世界」沖縄離島に誤解生む放送 BPO「悪質」と審議へ

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は10日、沖縄県南大東島の農家を取り上げたテレビ東京の情報バラエティー番組「ありえへん∞世界」について、「放送倫理の観点から非常に質が悪い」として、審議することを決めた。

番組は1月25日に放送。南大東島には年収1千万円以上のサトウキビ農家が150~200軒あり、沖縄本島に豪華な別荘を所有していると紹介。イメージ映像として、米国の高級住宅地ビバリーヒルズの建物を映した。

川端委員長は「農家が補助金でぜいたくな暮らしをしているかのように、面白おかしくまとめており悪質」と指摘した。
(産経新聞 2006.06.10)



そして、12日には「月刊MelodiX!」の収録中に事故が発生。

番組内のゲームコーナーで、アイドルユニット「ぴゅあふる」のメンバーが、全治1ヶ月の重傷を負った。

床に立てたバットに、おでこをつけてぐるぐる回るゲームの後で、平衡感覚を失った女の子がスタジオ内の溝に落ちたようだ。

この事故も、なんだかなあ。

14日の「日刊ゲンダイ」は、
テレビ東京「ありえへん」不祥事2連発!
のタイトルで記事を掲載。

2つの不祥事の経緯を説明している。

で、その記事を読んでいたら、私の名前が出てきたので驚いた(笑)。

ちなみに、13日に本紙のコラムで上智大の碓井広義教授がテレ東の「シロウト名鑑」という番組を取り上げて、「低予算・隙間狙い・アイデア勝負」と評価した。

テレ東は安価ながら視聴に耐える良質の番組も制作している。

しかし、今回の2番組は“安かろう、悪かろう”で墓穴を掘った!?

もっと知恵を絞れ。
(日刊ゲンダイ 2011.06.14)


・・・・うーん、年収300万円ほどの農家を、番組を盛り上げるために1000万円だと言ってみたり、ゲームの中身もトホホな上に、結果の予測というか、出演者へのケアが出来ていなかったり。

“安かろう、悪かろう”と言われても仕方ないような話で、残念だ。