村上春樹さんが、9日にバルセロナで行ったスピーチが興味深い。
「核へのノー、貫くべきだった」村上春樹氏が受賞スピーチ
スペイン北東部のカタルーニャ自治州政府は9日、バルセロナの自治州政府庁舎で、今年のカタルーニャ国際賞を作家の村上春樹さんに授与した。
村上さんはスピーチで、東日本大震災と福島第1原発事故に触れ、原爆の惨禍を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。
「非現実的な夢想家として」と題したスピーチで、村上さんは福島第1原発事故を「(日本にとり)2度目の大きな核の被害」と表現。
戦後日本の核に対する拒否感をゆがめたのは「効率」を優先する考えだとし、政府と電力会社が「効率の良い発電システム」である原発を国策として推進した結果、原発に疑問を持つ人々は「非現実的な夢想家」として退けられたと批判した。
その上で「われわれは持てる叡智(えいち)を結集し、社会資本を注ぎ込み、原発に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった」と言明した。
(共同 2011.6.10)
さて、「今週、読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。
誉田哲也
『感染遊戯』 光文社
山折哲雄
『法然と親鸞』 中央公論新社
西尾典祐
『城山三郎伝』 ミネルヴァ書房
鶴松房治
『池波正太郎の愛した江戸をゆく』 朝日新聞出版
保阪正康
『日本を変えた昭和史七大事件』 角川oneテーマ21
* 上記の本の書評は、発売中の『週刊新潮』最新号(6月16日号)に掲載されています。
