札幌の映画館で『タクシードライバー』(1976年)と再会した。
スクリーンでの『タクシードライバー』。
リアルタイムで観た大学生のとき以来だ。
「午前10時の映画祭」のおかげです。
監督はマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ。
デ・ニーロ演じるトラヴィスが26歳で、海兵隊員としてベトナム戦争に参加し、ついこの間除隊したばかりという設定も、映画を見ながら思い出した。
彼の喪失感というか、孤独感も、そんな時代と深くリンクしていたわけだ。
少女娼婦役のジョディ・フォスターは撮影の頃は13歳。
しかし、その演技やはりはハンパじゃない。
ラスト近くの修羅場は、今観ると大人しいくらいだが、その“いきなり感”の衝撃はかなりのものだ。
それから、大好きなオープニング。
路上の蒸気の中から、イエローキャブがゆっくりと現れる。
そしてバーナード・ハーマンの“泣かせる”サックスの音色。
いやあ、スクリーンで観られた(聴けた)こと、感謝です。