碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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劇場スクリーンで『タクシードライバー』

2011年06月27日 | 映画・ビデオ・映像

札幌の映画館で『タクシードライバー』(1976年)と再会した。

スクリーンでの『タクシードライバー』。

リアルタイムで観た大学生のとき以来だ。

「午前10時の映画祭」のおかげです。

監督はマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ。

デ・ニーロ演じるトラヴィスが26歳で、海兵隊員としてベトナム戦争に参加し、ついこの間除隊したばかりという設定も、映画を見ながら思い出した。

彼の喪失感というか、孤独感も、そんな時代と深くリンクしていたわけだ。

少女娼婦役のジョディ・フォスターは撮影の頃は13歳。

しかし、その演技やはりはハンパじゃない。

ラスト近くの修羅場は、今観ると大人しいくらいだが、その“いきなり感”の衝撃はかなりのものだ。

それから、大好きなオープニング。

路上の蒸気の中から、イエローキャブがゆっくりと現れる。

そしてバーナード・ハーマンの“泣かせる”サックスの音色。

いやあ、スクリーンで観られた(聴けた)こと、感謝です。