好きな本が文庫になった時は、単行本を持っていても、入手して
みます。
ちょっと新鮮な気分で読み返せることと、やはり「解説」の存在
が大きい。
その本が出た当時とも、また違った評価や見方が、読んでいて
面白いからだ。
ところが、植草甚一『ぼくは散歩と雑学がすき』(ちくま文庫)には、その解説がない。
たとえば津野海太郎さんとか、高平哲郎さんとかの解説が付いて
いたら読みたかったけど、まあ、仕方ないです。
逆に、1970年の晶文社版が、小さなサイズで“復刻”された
と思えばいい。
この文庫、カバーデザインは、ちゃんと平野甲賀さんだしね。
元祖“サブカルチャーの教科書”です。

今週の「読んで、書評を書いた本」は、以下の通り。
佐川光晴『山あり愛あり』 双葉社
井上荒野 『それを愛と間違えるから』 中央公論新社
宇都宮聡、川崎悟司 『日本の絶滅古生物図鑑』 築地書館
藤田弘基 『蒸気機関車百景』 平凡社
* 上記の本の書評は、
発売中の『週刊新潮』(3月14日花見月増大号)
Bookworm欄に掲載されています。
