『日刊ゲンダイ』月曜版で連載中のコラム「テレビとはナンだ!」。
今週の掲載分では、「ギャラクシー賞」のことを書かせていただいた。
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ギャラクシー賞大賞「死刑囚 永山則夫」は10年に1本の傑作
コラム本文:
先週、テレビ界の大きな「賞」の一つ、ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)の贈賞式が行われた。
この賞はラジオ、報道活動、CMなど部門別の表彰だが、やはり注目はトリを飾るテレビ部門「大賞」である。
第47回ギャラクシー賞テレビ部門「大賞」は、NHKのETV特集「死刑囚 永山則夫~獄中28年間の対話」だった。
ディレクターを務めたのはフリーの堀川惠子さん。
撮影は制作会社ドキュメンタリージャパン所属の山崎裕カメラマンだ。
連続射殺魔と呼ばれた永山は1969年に逮捕され、97年に死刑が執行された。
その間に外部と交わした膨大な数の手紙や貴重な「肉声」、獄中結婚した元妻の証言などで構成されたのがこの番組だ。
母親との関係にまで踏み込んだ取材は、犯罪者というより一人の人間としての永山則夫を現出させていた。
この10年くらいに放送されたドキュメンタリーの中で傑出している。
拍手です。
今回は他にもドキュメンタリーの秀作が多かった。
静岡放送「日本兵サカイタイゾーの真実~写真の裏に残した言葉」、テレビ熊本「土に生きる~ダム水没予定地・ある農民の手記」、南海放送「ひだまり~今治大浜1丁目・6年の記録」等々。
ややもすればNHKの独壇場となるドキュメンタリーだが、民放の力作にも、もっとスポットが当たって欲しいと思う。
(日刊ゲンダイ 2010.06.08付)
いい番組が顕彰されることで、多くの人がその存在を知るようになれば、と思う。
NHK衛星第2では、テレビの各賞受賞作が放送される。
6月26日(土)~30日(水)「ザ・ベストテレビ」
文化庁芸術祭、地方の時代映像祭、日本民間放送連盟賞、放送文化基金賞、ATP賞、ギャラクシー賞など、2009年度の放送界を代表する番組コンクールの受賞作を、NHK・民放問わず一挙放送!
何とも太っ腹な、大盤振る舞いの好企画だ(笑)。