♪バガテルop45
前回述べたように自閉症の人は知恵遅れなど別の障碍をともなうケースも多く、また人によって現われ方が違っていたり、同じ人でも成長していくうちにその症状が変化したりします。
また自閉症のある特徴は顕著でも、別の特徴はあまり発現しない人もいて、同じ自閉症といってもその状態はまるで虹のように色彩が多様であり、色と色との境界線がはっきりしていないのです。
そこでそういった区別や境界をあまり厳密に区別せず幅広く自閉症総体としてとらえようという考え方がうまれ、そのときに「自閉症スペクトラム」というアバウトな概念と用語も生まれたのです。
たとえば知的な遅れが目立たない自閉症を「アスペルガー症候群」と呼んで、おおかたは知恵遅れを伴う本来の、狭義の自閉症と区別する考え方もあります。それというのもけっきょくは自閉症の本質が解明されず、漠然と脳の機能障碍であるとしかいえないところから来ているわけで、今後の研究次第ではいま自閉症とされている障碍がじつは別のものになってしまう可能性もなしとしないのです。
私は個人的には秀才型?自閉症の「アスペルガー症候群」は、お馴染みの古典的な「だめ自閉症」とはぜんぜん別種の違うものであろう、とひそかに考えていますが、これが正解か否かはそれこそ神のみぞ知るであります。
♪けふもまた何事も無く日が暮れた家族で囲む水炊きの湯気 亡羊