玄宗皇帝や外国のお話も交えながら
学院長による「きもののTPOのお勉強会」は、きものの仕来りや決まり事などについての講義です。
十二単の紹介で海外に出かけていた頃の、外国の正装の決まり事についてのお話などもされ、楽しい講義になりました。
第一礼装の黒留袖などのお話では、中国の玄宗皇帝と楊貴妃のお話をされながら、「比翼の衿」の謂れなど、興味深く話されていました。
時代風俗衣裳の研究家として時代物の研究をしている市来学院長ならではの講義に、参加した受講生は質問などをして、有意義な時間を過ごされていたようです。
今回参加した受講生は、美容師の皆さまやメークアップアーティスト、他の教室の先生もいらして、お仕事に必要な知識を得ようと、真剣に聞かれていました。
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きものの決まり事を学ぶ事は「きもの文化継承への道」
「きつけ塾いちき」は、最近頓に「きもの文化の崩壊」が顕著になっていると考えています。
例えば、貸衣裳の振袖の着付けを見た親御さんから次のようなクレームがよくあるそうです。
「帯から上の背縫いは身体の中心にあるが、お尻から裾にかけての背縫いがずれている。弁償すべきだ…」。考えられないクレームです。
着付けを知らないからおっしゃるのですが、それらにちゃんとお応えできる「担当者?」がいなくなっていることは深刻な現象です。
また、振袖でおトイレに行くときの方法を書いたきものの出版物で次のような事を平気で書いている冊子が多いことです。
いわく「振袖でおトイレに行くときには、邪魔になる袖を帯締めに挟んで…云々…」、こんなことをしたら振袖は着崩れるに決まっています。
なんという無謀な著者でしょうか。こんな「常識本?」が何冊も出版され、まかり通っているのです。
きものを専門にしている中でさえこの有様ですから、何とかしないと、などと焦りさえ感じます。
私たちは原点に帰って、「周りからきものの常識を知らしめていこう」と、従来から行なってきた「きもののTPOのお勉強会」を鹿児島でも始めました。
出来るだけ多くの人に、「きものの常識」や「着付けの常識」をしっかり学んで頂き、傾斜しつつある「きものの間違いの修正」に役立てたいと思っています。
きものの歴史の中で、決まりごとは少しずつ変わっていくものですが、昔から伝わる素晴らしい伝統を、利益のみをあげる…「為にする拝金主義」から守りたいものです。
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