きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

人と自然がおりなす 美しき棚田④ 世界編

2010-06-27 23:27:41 | 赤旗記事特集
人と自然がおりなす 美しき棚田④世界編
ベトナム・サパ 生きるたくましさが・・・

 ベトナムは南北に長い国である。稲作が盛んで、南部のメコン川デルタ、北部の紅河デルタを中心に、大規模な水田が広がっている。一年中暑い南部では三期作も行われている。田植えの隣で、稲刈りをしている光景を見るのも珍しいことではない。
 またベトナム料理は、生春巻やフォー(コメの麺)で代表されるような、コメ食品の種類も多い。まわりを海と山に囲まれ、豊富な食材が手に入るので、バリエーションのあるベトナム料理が生み出された。


◇霧の多い町
 一方、中国の国境に近い北部山間部には、多くの少数民族が住み、棚田でコメを作って暮らしている。デルタ地帯の豊かな農村と比べると、生活は決して楽ではない。
 国内最高峰ファンシパン山(3143メートル)の麓にある、ラオカイ省サパは標高1500メートルほどの高地にあり、モン族、ザオ族などが住んでいる。モン語のチャパ(霧の町)に由来するとの説もある。それだけ霧の多い町だ。
 モン族は、中国、清の時代に、差別や貧困から逃れて、ベトナムヘ南下してきた。生きるために響蒼とした森林を切り開き、山の斜面を棚田に変えていった。棚田に夕日が反射し、鱗のような模様が強調されると、人間の執念のようなものを感じてしまう。棚田は幻想的だが、彼らの歴史は厳しさそのものだ。


◇商魂たくましく
 サパは今、外国人観光客で賑わっている。夕方、自宅に帰るから乗せていってくれと、私の借りていた旧ソ連製のレンタルバイクを指差してモン族のおばさんは言った。彼女の村に興味もあったので、後ろに乗せて10分ほど、棚田を見下ろす崖道を走った。
 彼女の家に着いたら、手作りの竹製の口琴を買ってくれと迫られた。その必死さに、つい断りきれなかった。バイクに乗せた上に、土産物まで買うはめになった。しかし、そんなことを気にする彼女ではなかった。彼女に限らずモン族女性の商魂はたくましい。生きるために必死になるモン族たち。棚田を拓いたことで身につけたたくましさなのかもしれない。
 後日、棚田で仕事をしていたモン族女性が「最近、土産物を作るのが忙しくて、田んぼの仕事をしている時間がなくなってきたよ」と、流暢な英語で言ったのを聞いて、複雑な思いがしたのだった。(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年6月25日付け


ベトナムは日本のように南北に長く、稲作が盛んで親しみがもてる。でも、亜熱帯気候なので日本とだいぶんくらしが違う。
ベトナム戦争の時代、従軍カメラマンとしてベトナムに行った石川文洋さんも苦労したようだ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする