きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

人と自然がおりなす 美しき棚田① 世界編

2010-06-10 18:55:48 | 赤旗記事特集
人と自然がおりなす 美しき棚田① 世界編

中国雲南省元江県と元陽県
農民の“闘い”の軌跡が・・・


「しんぶん赤旗」日刊紙に「美しき棚田」の連載があじまりました。写真家の青柳健二さんの執筆です。

 中国雲南省元江県のあるハニ族村に泊まった翌朝、宿の窓から見た棚田の風景に衝撃を受けた。
 雲海の中に何千何万という棚田が広がっていたのだ。この経験がきっかけで、私の、世界の棚田を巡る旅が始まった。



 カメラのファインダーを覗いていると、鍬をかついだ男が「何を撮っているんだね?」と声をかけてきた。
 「何って、美しいこの風景ですよ」
 目の前に広がる絶景を写真に収めて、私は満足していた。しかし、彼はいぶかしげに私の顔を覗きこみ、「美しい風景?いったい、どこが美しいのかね?」というと、おかしなやつだと言わんばかりの顔をして去っていった。

◇衝撃の美しさ
 棚田を「美しい」と表現してしまったが、ハニ族にとっては、美しくもなんともない、ありふれた普通の風景で、大げさに言うなら、厳しい労働と貧しさの象徴かもしれない。あるいは、他の民族から追われて山に住まざるをえなかったハニ族の辛い歴史を思い起こさせるのかもしれない。
 しかし私は正直言って、その悲しいまでの美しさに衝撃を受け「美しい」と表現する以外になかったのだ。
 美しい曲線にしようと意識して作ったのではない。
 ひとりひとりの農民が自然に従い、また闘ってきたことが、あぜ道の曲線を作り上げたのだ。自然と人闇とのぎりぎりの関係が表われているような気がする。


◇村人全員で会食
 元陽県のハニ族には「アンマトゥ」と呼ばれる祭りがある。初日は、村はずれの神樹の下で、豚と鶏をつぶし御供えし、祭司が儀式を執り行ない、豚の肝臓の筋、色、胆汁の多さによって、作物の出来具合と村人の吉凶を占う。
 翌日から2日間は、「長街宴」と呼ぶ、村人全員による会食が行われる。村のメインストリートにつなげた長さ200メートルにも及ぶテーブルに各家庭から料理が運ばれる。
各家庭によって材料、調理法も様々だ。一般的なところでは、ブタ、トリ、アヒルなどの肉類、卵類、各種野菜、山菜、芋の料理だ。田んぼの食材も並ぶ。カエル、オタマジャクシのから揚げや、冬場棚田で養殖される淡水魚をもち米で発酵させたなれずしなどがある。
神・先祖に感謝しつつ全員で会食するというのが、村の結束を強め、それが棚田でのコメ作りに反映される。この会食こそ祭りの重要な儀式なのだ。

(金曜掲載)「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年6月4日付に掲載


棚田といえば、国内のあちこちにあり、僕もあちこちで撮影していますが・・・。
米の生産が伝わってきた国、中国の棚田にも興味がありますよね。
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