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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「原発」収束なしに復興なし 地元の産業と住民の「こころ」を元に戻して!

2011-05-02 23:06:07 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
「原発」収束なしに復興なし 地元の産業と住民の「こころ」を元に戻して!

危機が進行中の原発事故、長びく避難生活…被災地は未曽有の災害からのたて直しに懸命です。市内が危険度で三つの区域に分割された福島県の南相馬市の桜井勝延市長に、実情と思いを聞きました 田中倫夫記者

福島 南相馬の桜井市長が語る



 福島第1原発の事故で、政府から最初に「屋内退避」「自主避難」地域と定められたことで、外からの物資が一時期まったく入らなくなりました。インターネットの動画サイト(YouTube)でも窮状を訴えて、大きな支援を国の内外から受け、海外マスコミ数十社からも取材を受けました。
 震災前に7万人いた市民は、避難先からかなり戻ってきましたが、まだ4万から4万5千人です。就学児童は震災前の30%にとどまっています。

地域で格差を生じさせない
 先日、政府は新たに原発から20キロ圏を「警戒区域」とし、「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」を定めました。このために、南相馬市は三つの区域に分割されてしまいました。東電の仮払金や、義援金の受取額にも、地域で差が出ることになってしまいました。
 この線引きは、私たちがしたわけではありません。市民は地震・津波や原発の恐怖を等しく受けています。本来ならば、補償も義援金も、全市民が等しく得て当然のものです。地域で格差を生じさせないように市が補てんすることはやむを得ないと思います。放射線量も一時期から比べると減っているのに、なぜこういうことをしなくてはいけないのか、納得できません。
政府は「復興構想会議」の会合を進めていますが、そのためには、福島第-原発の事故が収束するということが大前提です。原発事故の収束なしに「復興」はあり得ません。
 市内のある企業が、全体の7、8割を市外に移転するといってきました。こういう会社は何社かあります。やはり原発があるからです。
 「復興」という言葉に逆行しているのが現実なんです。東電も国も、この現実を見てほしい。復興構想会議のみなさんも、ここまで来て、この現実を見ていただきたい。
 問題は震災でずたずたになった生産基盤と市民の「こころ」を元にもどさなくてはいけないということです。津波で親やきょうだいをなくした子どもたちや、仕事を全部なくした人たちの「こころ」をどう元に戻すのか。そこまで本当にケアできないと、東京電力の責任を果たしたことにはならないと考えています。





 「復興」で大事なごとは、主役は被災した地元の住民だということです。よそから入ってきて、ブルドーザーでガンガンやって、コンクリートで建物を建てたところで、そのメーンの仕事が大手ゼネコンとかにもっていかれたのでは何にもなりません。
 住民は避難したままそれを見ていて、できたものに入ることになれば、「復興」などではないと思います。
どこの地域もそれぞれに特色があり、生活や文化に長い歴史があります。どういう復興をするのかは、それぞれの地域にまかせたらどうかと思うんです。そうすることで、住民の働くことに対する喜びとか誇りが出てくるのではないですか。
 被災者一人ひとりが、自分が社会的にも地域的にも認められているという実感がないと、本当の意味では、復興にはつながっていかないと思います。
 復興構想会議で財源の問題が出ています。地震、津波被害の復旧は、国が「激甚災害」の指定をして、国家財政を使うのは当然でしょう。しかし、原発事故は、まず東京電力が、財政的にも責任を負うべきです。東京電力は「お見舞い」ではなくて、当然支払うべき対価を地域に支払い続けるべきだと思います。

消費税増税の主張は論外
 「復興」財源に消費税増税だというのは、論外です。日本の大企業はバブル期以上のもうけを出しています。全体的に貿易は毎年10兆円以上経常黒字を続けている。その金がどこに回っているのか。貧困化が進んでいるのは地方です。いままで潤沢に稼いできた黒字を、いまこそ地方のための事業として、景気対策としてはき出すべきで、それは大企業にも返ってくるものです。
 われわれは千年に1度の災害にあい、全世界から注目を受けています。でも逆に考えると、震災復興と原発からの脱却という社会づくりに、世界の知恵と資金、資材を引き込むことができるのではないか。世界に目を向けたそういう「復興」ができないものかと考えています。

「しんぶん赤旗」日曜版 2011年5月1日・8日合併号



NHKスペシャルなどにも登場している桜井市長です。
本当に、「復興」で大事なのは地元の意思で青写真を描いて創って行くものです。ゼネコンがよそからやってきてガンガンやって造ったって、仕事は地元に来ないし、地元の産業に合った復興はできません。
財源論でも、バブル期以上の黒字をだしている大企業に「地方のための事業」「景気対策」としてはき出させるって考えは共感します。

これからも、ネットやマスコミなどでもガンガン発信していって欲しいと思います。

コメント
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