東日本大津波発生の仕組み
深部から浅部へ滑りを誘発
マグニチュード(M)9・0だった東日本大震災の地震は、プレート(岩板)境界の深い部分が滑って大きな揺れが生じ、浅い部分が静かに大きく滑ることで大津波が起きた可能性が高いことが分かりました。
東京大大学院理学系研究科の井出哲准教授が米スタンフォード大と世界各地に伝わった地震波を解析し、米科学誌『サイエンス』電子版(5月19日付)に発表しました。
この二面性は今後の地震発生パターンを予測する上で重要で、深部の滑りが浅部の滑りを誘発した可能性があるといいます。
プレート境界で起きる地震は、海洋プレートの沈み込みにともなって蓄積したひずみが限界に達すると一気に滑って跳ね返り、地震や津波を起こすと一般的に考えられています。
しかし、井出准教授らが大震災の地震を詳細に解析すると、①3秒の初期滑り②約40秒のプレート境界深部の滑り③約60秒の浅部の静かで大きな滑り④約90秒の深部滑り―という4段階で起きていたことがわかりました。
このうち③では、陸側プレートがひずみを解消する分だけ滑ったのではなく、それ以上に大きく滑る「動的過剰滑り(ダイナミックオーバーシュート)」と呼ばれる現象が起き、大津波となったといいます。
東日本大震災の地震は4段階で起き、プレート境界の浅い部分の大きな滑りが大津波を引き起こした(井出哲東京大准教授提供)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年5月21日付掲載
プレート間で起こる地震は、阪神淡路などの内陸部の断層による地震と違って複雑な動きをするんですね。プレート深部での破壊(滑り)のエネルギーが海底付近(海溝)まで伝搬する。そこでは横方向だけでなく縦方向にも動きが解放されて海水を持ち上げて津波を起こすんですね。
岩盤を破壊するのは高周波、津波を起こすのは低周波の振動なのですね。
深部から浅部へ滑りを誘発
マグニチュード(M)9・0だった東日本大震災の地震は、プレート(岩板)境界の深い部分が滑って大きな揺れが生じ、浅い部分が静かに大きく滑ることで大津波が起きた可能性が高いことが分かりました。
東京大大学院理学系研究科の井出哲准教授が米スタンフォード大と世界各地に伝わった地震波を解析し、米科学誌『サイエンス』電子版(5月19日付)に発表しました。
この二面性は今後の地震発生パターンを予測する上で重要で、深部の滑りが浅部の滑りを誘発した可能性があるといいます。
プレート境界で起きる地震は、海洋プレートの沈み込みにともなって蓄積したひずみが限界に達すると一気に滑って跳ね返り、地震や津波を起こすと一般的に考えられています。
しかし、井出准教授らが大震災の地震を詳細に解析すると、①3秒の初期滑り②約40秒のプレート境界深部の滑り③約60秒の浅部の静かで大きな滑り④約90秒の深部滑り―という4段階で起きていたことがわかりました。
このうち③では、陸側プレートがひずみを解消する分だけ滑ったのではなく、それ以上に大きく滑る「動的過剰滑り(ダイナミックオーバーシュート)」と呼ばれる現象が起き、大津波となったといいます。
東日本大震災の地震は4段階で起き、プレート境界の浅い部分の大きな滑りが大津波を引き起こした(井出哲東京大准教授提供)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年5月21日付掲載
プレート間で起こる地震は、阪神淡路などの内陸部の断層による地震と違って複雑な動きをするんですね。プレート深部での破壊(滑り)のエネルギーが海底付近(海溝)まで伝搬する。そこでは横方向だけでなく縦方向にも動きが解放されて海水を持ち上げて津波を起こすんですね。
岩盤を破壊するのは高周波、津波を起こすのは低周波の振動なのですね。