きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

そもそも税金講座⑥ 消費税の歴史 国民の反対 何度も導入阻止

2012-05-24 21:15:00 | 予算・税金・消費税・社会保障など
そもそも税金講座⑥ 消費税の歴史 国民の反対 何度も導入阻止

日本で消費課税が企図された始まりは、1937年に廃案となった取引税です。第2次世界大戦後では、48年の取引高税の導入です。
消費税(大型間接税)の導入の検討が本格化するのは、79年度税制改正大綱における一般消費税導入の決定です。87年には売上税法案が国会に提出されました。いずれも国民の反対で断念しました。その後、竹下登内閣は88年12月24日、国民の反対の声に逆らって、消費税法案を強行成立させました。(実施は89年4月1日)
日本の戦後税制は、50年のシャウプ税制勧告(アメリカ税制視察団のシャウプ団長が連合国軍総司令部に提出した勧告)にもとつくシャウプ税制が出発点となりました。
シャウプ税制は、①直接税中心の租税体系②自主申告納税制度の育成・強化③地方財政権の確立―という特徴をもっていました。
直接税は、税法上の納税義務者と税金を負担する者が同一であることを予定しています。直接税は、納税者に税金の痛みを感じさせ、各人の能力に応じて課税することが可能です。



消費税(税率3%)が導入された日、消費税反対の意思を示す商店=1989年4月1日、東京・足立区の一番街商店街

選択の自由ない
消費税が直接税である所得税と根本的に違うのは、意に反して税金を取られることです。
かつて存在した特別地方消費税は、飲食料金が1人1回7500円を超えると課税されました。ぜいたくしたい人は高い料金を覚悟してうまいものを食べる。
それがいやなら、400円のラーメンで我慢するというように、個人の意思で自由に飲食を選べました。それに比べて、消費税はあらゆる物、あらゆる人に一律にかかり、選択の自由はありません。
そのうえ、一律にかかる消費税は、金持ちでも貧しい人でも同じ物を買ったら同じ税負担になるため、所得に応じた税負担(応能負担)を考えると、高所得者が得をし、貧しい者が損をすることになります。これを逆累進税といいます。
わが国の消費税(大型間接税)は、下記(別項)のような歴史をたどっています。


①37年に戦費調達を目的に案出された取引税は、国会に上程されることなく、廃案になりました。
②48年に米軍占領下で導入された引高税(各取引段階で1%の税率)は、小売り段階での転嫁が難しく商工業者から猛反発を受け、49年の総選挙で廃止を求めた日本共産党が4議席から35議席に躍進し、1年4カ月で廃止されました。
③50年のシャウプ税制において、一般消費税ではないが、企業税として事業税に代わる「付加価値税」が府県税として法制化されました。しかし、一度も実施されないで、54年に法律から削除されました。
④68年から71年にかけて政府税調は、EC(欧州共同体)型付加価値税を検討しましたが、国民の猛反対で国会提出を断念しました。
⑤大平正芳内閣は79年度税制改正大綱で一般消費税の導入を決定し、総選挙(同年10月)で「一般消費税導入」をとなえました。総選挙の結果、自民党が惨敗する一方で、日本共産党・革新共同が41議席に躍進し、導入を断念しました。
⑥86年7月の衆参同時選挙で自民党の中曽根康弘内閣は「大型間接税はやらない」と公約したが、12月に「売上税」(大型間接税)の導入を決めました。国民の反発は大きく、87年4月のいっせい地方選挙で自民党が敗北し、5月に廃案となりました。




共産党の躍進で
現行の消費税が導入されるまでは、歴代政府は大型間接税の導入・定着に失敗し続けてきました。日本共産党の選挙における躍進が、大型間接税をくい止めてきたことも、よくわかります。
どんなにごまかそうとも、消費税増税の痛みは隠しようがなく、国民の反発は強まります。憲法が求める応能負担原則と税の使途に関する国民の理解を深めていくことが増税勢力の野望を断つ道―。それが、消費税をめぐる歴史の教訓なのです。

「しんぶん赤旗」日曜版 2012年5月20日付掲載


「『この顔が嘘をつく顔に見えますか』と嘘を言い」と揶揄(やゆ)されたのが中曽根さんでしたね。
あの時は本当に腹が立ちました。戦後政治の総決算とか言って、アメリカに言われるままに日本列島をアメリカ軍の「不沈空母」にしようとした中曽根さんが経済でも反動化を進めていきました。
当然のことながら選挙で審判が下ります。
今回の民主党政権にも世論で追い詰めて、消費税増税法案を断念させましょう!
コメント
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