検証参院選 共産党比例601万票② 地方での力関係も前進 高知・沖縄で第2党
7月の参院選で日本共産党が獲得した比例601万6195票(得票率10・74%)は、地方での政党間の力関係も大きく変えました。
高知、沖縄両県で日本共産党は新たに、比例選挙で自民党に次ぐ県内第2党となりました。
反自民の受け皿
高知県では比例投票率が全国最低となり、日本共産党は前回2013年参院選より2580票減となりましたが、得票率は16・5%から17・4%へ前進させました。前回比例第2党だった公明党は1万2561票減、得票率は2・6ポイント減の15・8%で第4党になりました。公明党の比例得票減の割合は高知県がトップです。日本共産党が第2党に躍進したことについて地元紙は「投票日の出口調査では、無党派層の投票先は自民と拮抗(きっこう)。反自民票の受け皿になったようだ」(高知新聞7月12日付)と分析しています。
1人区の選挙区で島尻安伊子沖縄担当相が落選し、自民党が衆院も合わせ選挙区選出議員がゼロになった沖縄県では、比例でも大きな変化がおきました。日本共産党の得票は前回比3万8715票増、得票率は6・2ポイント増の9万61票(15・64%)と過去最高を記録。前回の比例第4党から、公明党をしのいで自民党に次ぐ力関係を築きました。県内41市町村のうち11市町村で15%以上の得票率を確保しました。米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」の民意が党躍進でも強く示された形です。
岩手県での日本共産党の比例票は6万6616票(得票率11・24%)。国政選挙での得票率では過去最高となり、自民党、民進党に次いで第3党です。長野県も13万5115票(同12・6%)を獲得し、前回に続き第3党となっています。
【日本共産党の参院比例得票率が15%以上の市区町村】
複数区も伸ばす
1人区以外の複数区でも、日本共産党は比例票を前進させました。
選挙区選挙で山添拓氏の当選を勝ち取った東京都で日本共産党は、比例票を前回から11万39票上積みし88万2539票(得票率14・21%)で比例第3党に。選挙区票を約21万票上回っており、「比例の大波」をつくるなかで選挙区当選を果たしたことを示しています。
京都府では選挙区で議席を獲得できませんでしたが、比例では19万4503票(得票率18・5%)を獲得し、前回から1万2108票、得票率は1・3ポイントそれぞれ伸ばしました。府全体の比例得票・率でみると日本共産党は第3党ですが、京都市内では民進党を上回って第2党を維持。京都新聞の出口調査(7月11日付)によると、無党派層の比例投票先は日本共産党が24・1%でトップ。民進党22・3%、自民党21・4%、おおさか維新の会12・8%、公明党4・8%という結果でした。
三つの政令市がある神奈川県でも日本共産党は、比例票を前回比10万8352票増、得票率2・3ポイント増の50万8913票(得票率12・5%)へ前進させ、公明党を抜いて比例第3党になりました。横浜、川崎両政令市でも第3党です。
そのほか、複数区で前回より比例票を伸ばした道県の得票数比をみると、北海道110・1%、茨城146・9%、埼玉127・8%、千葉128・7%、静岡144・9%、愛知118・2%、兵庫111・0%、広島117・1%、福岡127・3%となっています。
日本共産党が比例得票率で掲げた「15%以上」の目標で、全国の1896自治体をみると、20政令市区、6特別区、41市、38町村の計105自治体で達成しています。(別表)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年8月1日付掲載
躍進したとはいえ、「比例得票850万票はまだまだ先だ」という声がありますが、目標とした得票率15%を超過達成した市区町村がこれだけあるのを見ると励まされますね。
7月の参院選で日本共産党が獲得した比例601万6195票(得票率10・74%)は、地方での政党間の力関係も大きく変えました。
高知、沖縄両県で日本共産党は新たに、比例選挙で自民党に次ぐ県内第2党となりました。
反自民の受け皿
高知県では比例投票率が全国最低となり、日本共産党は前回2013年参院選より2580票減となりましたが、得票率は16・5%から17・4%へ前進させました。前回比例第2党だった公明党は1万2561票減、得票率は2・6ポイント減の15・8%で第4党になりました。公明党の比例得票減の割合は高知県がトップです。日本共産党が第2党に躍進したことについて地元紙は「投票日の出口調査では、無党派層の投票先は自民と拮抗(きっこう)。反自民票の受け皿になったようだ」(高知新聞7月12日付)と分析しています。
1人区の選挙区で島尻安伊子沖縄担当相が落選し、自民党が衆院も合わせ選挙区選出議員がゼロになった沖縄県では、比例でも大きな変化がおきました。日本共産党の得票は前回比3万8715票増、得票率は6・2ポイント増の9万61票(15・64%)と過去最高を記録。前回の比例第4党から、公明党をしのいで自民党に次ぐ力関係を築きました。県内41市町村のうち11市町村で15%以上の得票率を確保しました。米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」の民意が党躍進でも強く示された形です。
岩手県での日本共産党の比例票は6万6616票(得票率11・24%)。国政選挙での得票率では過去最高となり、自民党、民進党に次いで第3党です。長野県も13万5115票(同12・6%)を獲得し、前回に続き第3党となっています。
【日本共産党の参院比例得票率が15%以上の市区町村】
都道府県 | 自治体名 | 得票率 |
北海道 | 札幌市東区 | 15.06 | 小樽市 | 16.51 |
上砂川町 | 17.26 | |
乙部町 | 15.81 | |
広尾町 | 17.77 | |
岩手 | 九戸村 | 15.7 |
宮城 | 塩釜市 | 15.93 |
東京 | 新宿区 | 15.03 |
文京区 | 15.86 | |
中野区 | 15.1 | |
北区 | 16.95 | |
荒川区 | 15.86 | |
板橋区 | 15.65 | |
日野市 | 15.07 | |
東村山市 | 16.38 | |
国立市 | 15.86 | |
狛江市 | 16.43 | |
東大和市 | 15.44 | |
清瀬市 | 19.08 | |
東久留米市 | 17.22 | |
武蔵村山市 | 15.37 | |
多摩市 | 16.12 | |
大島町 | 17.66 | |
埼玉 | さいたま市緑区 | 16.06 |
所沢市 | 15.58 | |
飯能市 | 17.18 | |
上尾市 | 15.02 | |
蕨市 | 16.62 | |
新座市 | 16.74 | |
ふじみ野市 | 16.41 | |
三芳町 | 15.79 | |
皆野町 | 16.48 | |
長瀞町 | 15.69 | |
寄居町 | 15.22 | |
茨城 | 取手市 | 15.44 |
神奈川 | 川崎市川崎区 | 15.81 |
千葉 | 千葉市花見川区 | 15.15 |
長野 | 南牧村 | 15.04 |
下諏訪町 | 15.39 | |
原村 | 16.8 | |
箕輪町 | 16.43 | |
中川村 | 17.38 | |
高森村 | 16.13 | |
阿智村 | 15.45 | |
喬木村 | 15.46 | |
南木曽町 | 15.82 | |
池田町 | 16.4 | |
大阪 | 大阪市此花区 | 16.63 |
大阪市大正区 | 16.1 | 大阪市西淀川区 | 16.85 |
京都 | 京都市北区 | 23.97 |
京都市上京区 | 22.9 | |
京都市左京区 | 24.14 | |
京都市中京区 | 20.92 | |
京都市東山区 | 19.39 | |
京都市下京区 | 18.73 | |
京都市南区 | 20.84 | |
京都市右京区 | 21.6 | |
京都市伏見区 | 18.1 | |
京都市山科区 | 18.92 | |
京都市西京区 | 17.94 | |
福知山市 | 15.5 | |
綾部市 | 18.89 | |
宇治市 | 18.62 | |
宮津市 | 15.72 | |
亀岡市 | 16.95 | |
城陽市 | 16.99 | |
向日市 | 20.07 | |
長岡京市 | 16.96 | |
八幡市 | 15.7 | |
京丹後市 | 16.65 | |
南丹市 | 18.22 | |
大山崎町 | 18.33 | |
南山城村 | 15.09 | |
京丹波町 | 18.66 | |
伊根町 | 19.17 | |
高知 | 高知市 | 20.62 |
安芸市 | 18.89 | |
南国市 | 18.33 | |
土佐市 | 15.74 | |
須崎市 | 18.1 | |
四万十市 | 16.42 | |
香美市 | 19.47 | |
奈半利町 | 15.34 | |
田野町 | 23.63 | |
芸西村 | 18.86 | |
本山町 | 17.17 | |
いの町 | 15.79 | |
佐川町 | 17.97 | |
日高村 | 15.25 | |
四万十町 | 15.64 | |
福岡 | 北九州市若松区 | 17.24 |
北九州市戸畑区 | 16.68 | |
水巻町 | 15.88 | |
沖縄 | 那覇市 | 19.48 |
浦添市 | 16.4 | |
糸満市 | 18.49 | |
豊見城市 | 21.87 | |
南城市 | 17.69 | |
大宣味村 | 23.28 | |
西原町 | 15.05 | |
与那原町 | 16.45 | |
南風原町 | 18.24 | |
渡名喜村 | 23.04 | |
八重瀬町 | 19.45 |
複数区も伸ばす
1人区以外の複数区でも、日本共産党は比例票を前進させました。
選挙区選挙で山添拓氏の当選を勝ち取った東京都で日本共産党は、比例票を前回から11万39票上積みし88万2539票(得票率14・21%)で比例第3党に。選挙区票を約21万票上回っており、「比例の大波」をつくるなかで選挙区当選を果たしたことを示しています。
京都府では選挙区で議席を獲得できませんでしたが、比例では19万4503票(得票率18・5%)を獲得し、前回から1万2108票、得票率は1・3ポイントそれぞれ伸ばしました。府全体の比例得票・率でみると日本共産党は第3党ですが、京都市内では民進党を上回って第2党を維持。京都新聞の出口調査(7月11日付)によると、無党派層の比例投票先は日本共産党が24・1%でトップ。民進党22・3%、自民党21・4%、おおさか維新の会12・8%、公明党4・8%という結果でした。
三つの政令市がある神奈川県でも日本共産党は、比例票を前回比10万8352票増、得票率2・3ポイント増の50万8913票(得票率12・5%)へ前進させ、公明党を抜いて比例第3党になりました。横浜、川崎両政令市でも第3党です。
そのほか、複数区で前回より比例票を伸ばした道県の得票数比をみると、北海道110・1%、茨城146・9%、埼玉127・8%、千葉128・7%、静岡144・9%、愛知118・2%、兵庫111・0%、広島117・1%、福岡127・3%となっています。
日本共産党が比例得票率で掲げた「15%以上」の目標で、全国の1896自治体をみると、20政令市区、6特別区、41市、38町村の計105自治体で達成しています。(別表)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年8月1日付掲載
躍進したとはいえ、「比例得票850万票はまだまだ先だ」という声がありますが、目標とした得票率15%を超過達成した市区町村がこれだけあるのを見ると励まされますね。