円安ってなんですか?
Q 円安って何ですか。私たちの生活にどんな影響がありますか。(読者)
他国のお金と交換時少ない受け取り額に
A 「東京外国為替市場の円相場は1ドル=×××円××銭、前日に比べ××銭の円安」などと報じられます。円安って何でしょう。
日本の円を他国のお金と交換するとき、交換比率(レート)の変化によって、受け取れる他国のお金の額が少なくなるのが円安で、逆に多くなるのが円高です。
日銀のデータで、円とアメリカのドルの交換比率の推移をみると、9月1日午後5時の時点では1ドル=110円40銭で、11月16日午後5時の時点では1ドル=114円27銭でした。
3円87銭多くなっているので、「円高かな?」と見えるかもしれません。しかし、1円当たりのドルを計算すると、9月1日時点の1円=0・00906ドルから、11月16日時点の1円=0・00875ドルへ、0・00031ドル少なくなっています。だから、これは円安です。
また、11月4日時点では1ドル=114円22銭で、11月9日時点では1ドル=112円85銭でした。これを1円当たりで見ると、1円=0・00876ドルから1円=0・00886ドルへ、0・0001ドル増えています。ここでは、小幅の円高が起きていました。
こうした円とドルの交換比率の動きを示したのが図①です。しかし、ドルを基準にして1ドル=何円と表現するのが習慣なので、図②で示されることもあります。実は、図①は円安、図②はドル高と、同じことを裏返しに言い合っているにすぎません。だから、一方の天地を反転させると、同じ図になります。
円安や円高は、他の商品の価格と同じように、基本的には、外国為替市場での需要と供給の関係で起きます。投機資金の動きも含めて、円への需要が増えれば円高へ、減れば円安へ動きます。
外国貿易の決済や外国投資には、外国のお金が必要になります。外国旅行にも外国のお金が必要です。こうしたさまざまな必要に応えるために、休祝日を除いて毎日、銀行や保険会社などの金融機関が互いに相異なる国のお金を交換(売買)しています。それが、外国為替市場です。
円安も円高も、経済や国民生活に対して、よくも悪くも大きな影響を及ぼします。
円安になると、外国との貿易で、以前と同じ量のモノを輸入するのにより多くの円が必要になります。その結果、輸入品の国内価格が上がります。現在、ガソリンや灯油など石油製品が値上がりしているのにも、この間の円安が原因の一つになっています。
円安下ではまた、以前と同じ量を輸出しても、受け取った代金を円に換算すると、金額が大きくなります。円安が輸出に有利だというのは、そのためです。
さらに、海外へ進出している企業にとっても、海外に保有する資産が円換算で増大することになります。
半面、外国旅行をしようとすると、経費にはより多くの円が必要になります。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月23日付掲載
円安になると、外国との貿易で、以前と同じ量のモノを輸入するのにより多くの円が必要に。その結果、輸入品の国内価格が上がります。現在、ガソリンや灯油など石油製品が値上がりしているのにも、この間の円安が原因の一つ。
円安下ではまた、以前と同じ量を輸出しても、受け取った代金を円に換算すると、金額が大きく。円安が輸出に有利だというのはそのため。
Q 円安って何ですか。私たちの生活にどんな影響がありますか。(読者)
他国のお金と交換時少ない受け取り額に
A 「東京外国為替市場の円相場は1ドル=×××円××銭、前日に比べ××銭の円安」などと報じられます。円安って何でしょう。
日本の円を他国のお金と交換するとき、交換比率(レート)の変化によって、受け取れる他国のお金の額が少なくなるのが円安で、逆に多くなるのが円高です。
日銀のデータで、円とアメリカのドルの交換比率の推移をみると、9月1日午後5時の時点では1ドル=110円40銭で、11月16日午後5時の時点では1ドル=114円27銭でした。
3円87銭多くなっているので、「円高かな?」と見えるかもしれません。しかし、1円当たりのドルを計算すると、9月1日時点の1円=0・00906ドルから、11月16日時点の1円=0・00875ドルへ、0・00031ドル少なくなっています。だから、これは円安です。
また、11月4日時点では1ドル=114円22銭で、11月9日時点では1ドル=112円85銭でした。これを1円当たりで見ると、1円=0・00876ドルから1円=0・00886ドルへ、0・0001ドル増えています。ここでは、小幅の円高が起きていました。
こうした円とドルの交換比率の動きを示したのが図①です。しかし、ドルを基準にして1ドル=何円と表現するのが習慣なので、図②で示されることもあります。実は、図①は円安、図②はドル高と、同じことを裏返しに言い合っているにすぎません。だから、一方の天地を反転させると、同じ図になります。
円安や円高は、他の商品の価格と同じように、基本的には、外国為替市場での需要と供給の関係で起きます。投機資金の動きも含めて、円への需要が増えれば円高へ、減れば円安へ動きます。
外国貿易の決済や外国投資には、外国のお金が必要になります。外国旅行にも外国のお金が必要です。こうしたさまざまな必要に応えるために、休祝日を除いて毎日、銀行や保険会社などの金融機関が互いに相異なる国のお金を交換(売買)しています。それが、外国為替市場です。
円安も円高も、経済や国民生活に対して、よくも悪くも大きな影響を及ぼします。
円安になると、外国との貿易で、以前と同じ量のモノを輸入するのにより多くの円が必要になります。その結果、輸入品の国内価格が上がります。現在、ガソリンや灯油など石油製品が値上がりしているのにも、この間の円安が原因の一つになっています。
円安下ではまた、以前と同じ量を輸出しても、受け取った代金を円に換算すると、金額が大きくなります。円安が輸出に有利だというのは、そのためです。
さらに、海外へ進出している企業にとっても、海外に保有する資産が円換算で増大することになります。
半面、外国旅行をしようとすると、経費にはより多くの円が必要になります。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月23日付掲載
円安になると、外国との貿易で、以前と同じ量のモノを輸入するのにより多くの円が必要に。その結果、輸入品の国内価格が上がります。現在、ガソリンや灯油など石油製品が値上がりしているのにも、この間の円安が原因の一つ。
円安下ではまた、以前と同じ量を輸出しても、受け取った代金を円に換算すると、金額が大きく。円安が輸出に有利だというのはそのため。