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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機⑤ 温暖化と猛暑(上) 発生確率 違いで証明

2020-01-11 08:02:34 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機⑤ 温暖化と猛暑(上) 発生確率 違いで証明
気象庁気象研究所気候・環境研究部の今田由紀子主任研究官たちの研究グループは、最先端の気候モデルとスーパーコンピューターを使って、地球温暖化が異常気象の発生確率をどのように変化させているかを推定する「イベント・アトリビューション」という新しい型の研究をしています。同様の研究は世界でも数少ないといいます。
気象庁は、「(ある場所や時期で)30年に1回以下で発生する現象」を異常気象と定義しています。従来、異常気象について地球温暖化の影響を科学的に証明することは容易ではなかったと、今田さんは話します。
「『異常気象は地球温暖化のせいですか?』と聞かれますが、『正確なことは言えません』と答えるしかない。異常気象は、たまたまその時その場所で起きた、大気が持つ『揺らぎ』が重なって発生するからです。もちろん温暖化が底上げしている可能性はありますが、30年に1度しか起こらない一つの現象だけを見て、そういうのは難しい」
今田さんたちの研究手法は、気象研究所が開発した気候モデルを用いたシミュレーション(模擬実験)です。人間活動によって温暖化した世界と、人間活動による気候への影響を取り除いて温暖化していない世界の2種類を仮想的に作り出し、それぞれ100通りの実験を行って比較。温暖化の影響による異常気象の発生確率の変化を取り出すというものです




結果の一つが、2018年夏の記録的な猛暑についての研究です。
この時は、上空のチベット高気圧と下層の太平洋高気圧という二段重ねの高気圧が例年以上に日本付近まで発達して猛暑になりまた。
今田さんたちが過去30年の平年値で見積もると、18年に起きた気温の発生確率は2・1%で、50年に1度くらいしか起きない、異常気象よりまれな極端な現象だったことがわかりました。加えて18年の海面水温などの条件を与えると約20%(5年に1回の頻度)にまで確率は跳ね上がり、二段重ねの高気圧が猛暑を起こりやすくしていました。
では地球温暖化の影響はどう見積もられたのか。温暖化が起こらなかった気象条件では、発生確率は0・00003%、ほぼ0%と推定されました。
今田さんは「温暖化がなければ高気圧の重なりがあっても、2018年夏の異常な高温はまず起こり得なかったという結論になりました」といいます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年1月9日付掲載


「異常気象は、たまたまその時その場所で起きた、大気が持つ『揺らぎ』が重なって発生」「地球温暖化のせいとはすぐには言えない」という。
そこでシミュレーション実験。温暖化がなければ高気圧の重なりがあっても、2018年夏の異常な高温はまず起こり得なかったという結論。


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