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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機⑥ 温暖化と猛暑(下) “異常”が当たり前に

2020-01-12 11:47:49 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機⑥ 温暖化と猛暑(下) “異常”が当たり前に
地球温暖化がなければ猛暑は起きなかったという結果について、気象庁気象研究所の今田由紀子主任研究官は「地球温暖化の新しいステージにさし掛かっているかもしれません」と語ります。「温暖化がなければ異常気象の発生確率はほぼ0%」という数字をはじいた例はこれまで数少ないからだといいます。
「温暖化がなかった世界ではほとんど見ることができなかった気象現象が、温暖化によって現れるようになった。これは明らかに人為起源の影響が生み出した異常な状態といっても過言ではないと考えています」と付け加えます。

突出した18年
今田さんたちの研究グループはさらに、猛暑の発生回数の将来予測も行いました。
注目したのは2018年の1年間で全国のアメダス(地域気象観測システム)地点で猛暑(35度以上)地点数が特別に多く、のべ6000地点以上あったこと。地球温暖化が進むと、この猛暑地点数がどれだけのスピードで増えるかを見積もりました。
温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は産業革命前と比べての気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げています。結果は2度が達成できても、猛暑地点数は4000地点以上と推定されました。西日本を中心に猛暑が増えるとしています。
「18年と比べて少ないと思われるかもしれませんが、4000地点を超えたのは過去3回しかありません。振れ幅を考えれば、それが当たり前になってしまうということは大変なことです」と今田さん。



温暖化とともに延べ猛暑地点数が右肩上がりに増加していく関係が得られています(灰色は気候データベースから見積もられる理論曲線の幅、白線はその平均値)。
※Imada et al.2019(SOLA)をもとに今田氏が作成したものから

怖さ伝えたい
猛暑に関し地球温暖化の影響が確実に出ているとして、今田さんはこう話します。
「18年の猛暑で亡くなった方は厚生労働省の統計によると7月の1カ月間で1000人を超えています。この数字は後からでしか公表されないので、猛暑の怖さが、みなさんに伝わっていないと実感しています。猛暑の予報が出ていても、『暑さぐらい』とついつい外出してしまう。命にかかわる、身近にある危険なんですよと、うまく伝わるようにしたいというのが私たちの課題です」
(連載④~⑥は三木利博が担当しました)
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年1月10日付掲載


1年間の猛暑日。「2度以内」の目標が達成されたとしても、4000地点をこえるという予測。
過去の観測値からすれば3回しかないという。
猛暑日を甘く見ないで、無用な外出は控えることも必要。

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