きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2023年度 概算要求の焦点④ 雇用 企業本位 労働者守れない

2022-09-20 07:10:08 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2023年度 概算要求の焦点④ 雇用 企業本位 労働者守れない
厚生労働省の2023年度概算要求は、企業が求めるデジタル人材の育成支援など企業本位の労働政策が目立ちます。一方、労働者に人間らしい働き方を保障するには、中身も予算も不十分です。

デジタルに特化
岸田文雄政権は「人への投資を抜本的に強化する」などとして、22年度から24年度までの3年間に4000億円規模の予算を投じます。強化の主な対象はデジタル人材です。
22年度概算要求では、従業員に職業訓練を受けさせる事業主向けの「人材開発支援助成金」へ677億円を要求。そのうち7割に当たる505億円を、新設した「人への投資促進コース」に充てます。企業におけるデジタル人材の育成支援が中心です。同時に労働者の「学び直し」を後押しするとしてデジタル分野など「成長分野の訓練機会の拡大」を図ります。22年度当初予算比4億円増の100億円を「教育訓練給付」の拡充に計上しました。
また、スキルアップ支援コースと称し、「産業雇用安定助成金」へ72億円を新規計上。同助成金は、雇用関係を維持しつつ労働者を他社へ出向させる際に賃金の一部などを支給する制度です。
雇用の流動化を後押しする一方、厚労省は8月31日、企業が従業員に支払う休業手当の一部を補助する「雇用調整助成金」の特例措置を10月から11月末までの間、縮小すると発表。12月以降の給付は雇用情勢を見極めて10月末までに決める方針です。





正規と非正規職員の格差容認をしている「パート・有期法」の改正を訴えて会見する人たち=6月2日、厚生労働省

予算と内容不足
例年と同様「多様な人材の活躍」を掲げて49億円を女性活躍へ、272億円と186億円をそれぞれ高齢者と障がい者の就労促進へ計上しました。少子高齢化の中、労働力人口を増やそうと躍起です。一方、低賃金、待遇格差など労働者が直面している課題の解決には予算も内容もまったく足りません。
最低賃金の引き上げに向けた中小企業支援策の一つ「業務改善助成金」へは22年度当初比20億円増の32億円を要求しました。同助成金は生産性の向上を支給条件にしています。
赤字で設備投資のできない多くの中小企業は対象になりにくいという課題は残されたままです。
雇用保険を受給できない求職者向けに無料の職業訓練を実施する「求職者支援制度」へ282億円を計上しました。訓練の受講生の7割は女性です。月の給付額がわずか10万円のため生活を維持しながら受講するのは簡単ではありません。支給要件の緩和と給付金の倍増が求められます。
非正規雇用の待遇改善もおざなりです。有期雇用労働者が無期雇用へ転換する際の雇い止め問題に関しては労働者向けの周知徹底にわずか4000万円しか要求していません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年9月16日付掲載


雇用の流動化を後押しする一方、厚労省は8月31日、企業が従業員に支払う休業手当の一部を補助する「雇用調整助成金」の特例措置を10月から11月末までの間、縮小すると発表。12月以降の給付は雇用情勢を見極めて10月末までに決める方針。
例年と同様「多様な人材の活躍」を掲げて49億円を女性活躍へ、272億円と186億円をそれぞれ高齢者と障がい者の就労促進へ計上しました。少子高齢化の中、労働力人口を増やそうと躍起です。一方、低賃金、待遇格差など労働者が直面している課題の解決には予算も内容もまったく足りません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2023年度 概算要求の焦... | トップ | 2023年度 概算要求の焦... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

予算・税金・消費税・社会保障など」カテゴリの最新記事