アルプス氷河消失 最大へ 基本上昇 世界平均2倍の速度 熱波と少ない降雪量
ロイター通信が独自に入手したデータによると、今年、アルプスの氷河は記録を取り始めてから60年間で最大の消失となる見込みです。
氷河の消失量は、冬の降雪量と夏の融解量から計測します。今年の冬は降雪が少なく、夏には2度の大きな熱波が到来。スイスの山村ツェルマットでは7月に30度を記録しました。アルプスの氷河は、気候変動のせいで消失し続けています。アルプスの平均気温はすでに0・3度上昇しており、これは世界の平均気温上昇の2倍の速度です。
スイス・アルプスのリゾート地ポントレシーナで氷河の写真を撮る女性=7月21日(ロイター)
極端な年
もし温室効果ガスの排出が増大し続ければ、2100年までにアルプスの氷河の8割が消失すると予想されています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2019年の報告書は、過去の排出による気温上昇によって、今後どんな排出削減措置が取られてもほとんどの氷河が消失するだろうとしています。
今年の危機的状況を受けて、アルプスの氷河の消失が予想よりも早まる恐れが出ています。スイス氷河監視ネツトワーク(GLAMOS)のマティアス・フス責任者は「20~30年後のモデルと考えていた減少が今起きている。今世紀にこれほど早く極端な(高温の)年が現れるとは予想していなかった」と語ります。
ロイターが明らかにしたGLAMOSとブリユッセル自由大学のデータによると、スイス東部のモルテラッチ氷河は1日あたり5センチ後退しており、例年の夏の終わりより、状況はすでに悪くなっています。
ヒマラヤの氷河も今年、観測史上最大の消失となる見込みだとの分析もあります。カシミール地方に雨期が到来する時期に、多くの氷河は劇的に消失していました。3~5月の熱波で、インド北部では48度を記録し、万年雪の高度はずっと高くなっていました。
インド北部ヒマチャルプラデシュ州のチョタ・シグリ氷河は6月初めの調査で、ほとんど雪で覆われていないことが分かりました。インド工科大学(インドール〉のモハメド・ファルーク・アザム氏(氷河学)は「3~5月にこの100年で最も高い気温となったことが影響を与えていることは明白だ」と述べました。
氷河の消失は、人々の生命や生計を脅かしています。7月初めに、イタリアのマルモラーダ氷河が崩壊し、11人が死亡。数日後、キルギスタン東部の天山山脈で氷河が崩壊し、誘発した大規模な雪崩が旅行者を脅かしました。
経済損失
スイスの住民は、氷河の消失がスイス経済にも損失になると考えています。氷河に依存するアルプスのスキーリゾートのいくつかでは、氷河の融解を防ぐために太陽光を反射する白いシートをかけています。
スイスの多くの昔話に、氷河が登場します。アレッチ氷河は、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。登山客のベルナルダン・シャベイラス氏は、氷河を失うことは「私たちの国家遺産を失うことだ。悲しい」と語りました。(ロイター)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月2日付掲載
もし温室効果ガスの排出が増大し続ければ、2100年までにアルプスの氷河の8割が消失すると予想。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2019年の報告書は、過去の排出による気温上昇によって、今後どんな排出削減措置が取られてもほとんどの氷河が消失するだろうと。
スイスの住民は、氷河の消失がスイス経済にも損失になると。
スイスの多くの昔話に、氷河が登場。アレッチ氷河は、ユネスコの世界自然遺産に登録。登山客のベルナルダン・シャベイラス氏は、氷河を失うことは「私たちの国家遺産を失うことだ。悲しい」
氷河は、単に観光資源だけでなく、国家遺産。
ロイター通信が独自に入手したデータによると、今年、アルプスの氷河は記録を取り始めてから60年間で最大の消失となる見込みです。
氷河の消失量は、冬の降雪量と夏の融解量から計測します。今年の冬は降雪が少なく、夏には2度の大きな熱波が到来。スイスの山村ツェルマットでは7月に30度を記録しました。アルプスの氷河は、気候変動のせいで消失し続けています。アルプスの平均気温はすでに0・3度上昇しており、これは世界の平均気温上昇の2倍の速度です。
スイス・アルプスのリゾート地ポントレシーナで氷河の写真を撮る女性=7月21日(ロイター)
極端な年
もし温室効果ガスの排出が増大し続ければ、2100年までにアルプスの氷河の8割が消失すると予想されています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2019年の報告書は、過去の排出による気温上昇によって、今後どんな排出削減措置が取られてもほとんどの氷河が消失するだろうとしています。
今年の危機的状況を受けて、アルプスの氷河の消失が予想よりも早まる恐れが出ています。スイス氷河監視ネツトワーク(GLAMOS)のマティアス・フス責任者は「20~30年後のモデルと考えていた減少が今起きている。今世紀にこれほど早く極端な(高温の)年が現れるとは予想していなかった」と語ります。
ロイターが明らかにしたGLAMOSとブリユッセル自由大学のデータによると、スイス東部のモルテラッチ氷河は1日あたり5センチ後退しており、例年の夏の終わりより、状況はすでに悪くなっています。
ヒマラヤの氷河も今年、観測史上最大の消失となる見込みだとの分析もあります。カシミール地方に雨期が到来する時期に、多くの氷河は劇的に消失していました。3~5月の熱波で、インド北部では48度を記録し、万年雪の高度はずっと高くなっていました。
インド北部ヒマチャルプラデシュ州のチョタ・シグリ氷河は6月初めの調査で、ほとんど雪で覆われていないことが分かりました。インド工科大学(インドール〉のモハメド・ファルーク・アザム氏(氷河学)は「3~5月にこの100年で最も高い気温となったことが影響を与えていることは明白だ」と述べました。
氷河の消失は、人々の生命や生計を脅かしています。7月初めに、イタリアのマルモラーダ氷河が崩壊し、11人が死亡。数日後、キルギスタン東部の天山山脈で氷河が崩壊し、誘発した大規模な雪崩が旅行者を脅かしました。
経済損失
スイスの住民は、氷河の消失がスイス経済にも損失になると考えています。氷河に依存するアルプスのスキーリゾートのいくつかでは、氷河の融解を防ぐために太陽光を反射する白いシートをかけています。
スイスの多くの昔話に、氷河が登場します。アレッチ氷河は、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。登山客のベルナルダン・シャベイラス氏は、氷河を失うことは「私たちの国家遺産を失うことだ。悲しい」と語りました。(ロイター)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月2日付掲載
もし温室効果ガスの排出が増大し続ければ、2100年までにアルプスの氷河の8割が消失すると予想。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2019年の報告書は、過去の排出による気温上昇によって、今後どんな排出削減措置が取られてもほとんどの氷河が消失するだろうと。
スイスの住民は、氷河の消失がスイス経済にも損失になると。
スイスの多くの昔話に、氷河が登場。アレッチ氷河は、ユネスコの世界自然遺産に登録。登山客のベルナルダン・シャベイラス氏は、氷河を失うことは「私たちの国家遺産を失うことだ。悲しい」
氷河は、単に観光資源だけでなく、国家遺産。
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