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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

この人に聞きたい 竹下景子 第4回 結婚も仕事も子育ても 俳優を離れれば一般人

2021-07-23 07:14:12 | 赤旗記事特集
この人に聞きたい 竹下景子 第4回 結婚も仕事も子育ても 俳優を離れれば一般人
〈数々の名作に出演。1981年から22年続いた倉本聰作「北の国から」は、北海道の富良野を舞台に本当の豊かさとは何かを問いかけました。竹下さんは、主人公・黒板五郎(田中邦衛)の義妹・雪子を演じました〉
雪子は、純と蛍のおばさんとして、五郎さん一家をちょっと、ひいたところから見ている役です。時代とともに登場人物も年を重ねていったので、雪子もドラマチックな人生を送りましたね。22年も続いたのは、倉本先生の、あえて地方から発信するドラマが常にみんなをひきつけてやまなかったからだと思います。
家族の愛もそうですが、私は生産調整で、余った牛乳に食紅を入れて捨てるのを知ってショックを受けました。これは今のフードロスにも通じる話です。今までの生活で気づかなかったことにあふれた現場でした。




渥美さん囲んで
〈山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズでは「ロ笛を吹く寅次郎」(83年)をはじめ3作に出演。それぞれ違うマドンナ役で3度出演したのは竹下さんだけです〉
複数回、オファーをいただけるとは思っていなかったので本当にうれしかったですね。
山田組はゆったり進んでいくので、照明直しの間などに山田監督さんが、話をしてくださるんです。「優れた俳優というのは、ほんのわずかな声の使い方で、さまざまな表現ができるものですよ」とかね。
渥美さんは渥美さんで、「お嬢さん、怖い話をご存じじゃありませんか」と。気が付くと渥美さんが一人で話して、みんなが車座になって聞いていることもありました。
「男はつらいよ 知床慕情」(87年)で父親役だった三船敏郎さんとは、三船プロを離れてから初めて一緒に仕事をしました。今でも覚えているのは、ペーパードライバーの私がポンコツの軽トラックを運転するのに、実際のギアチェンジは、助手席の三船さんが私の手を持ってしてくださったんです。優しかったですよ。



家族と一緒に。(左から)アナン君、竹下さん、まなと君、関ロ照生さん。2006年、富良野で(本人提供)

〈この頃、私生活でも大きな変化が。84年、15歳年上のカメラマン、関ロ照生さんと結婚しました〉
夫とは、私が20歳の時から広告の撮影でたびたび一緒になって、よき相談相手でした。
彼の周りには、いろんな業界の人たちがいて、みんなでワイワイやってたんです。
そうして10年たった頃、ある年長の友人の一人から「結婚するかしないか、いいかげんにどっちかにしなさい。こっちがイライラする」と言われて。それで「どうしようか」と2人で焼き鳥屋でボソボソ話をしたりしてて…。
私が結婚した頃は、まだ女性は結婚か仕事か、二者択一が多かったんですね。まして母親になるとね。でもいいや、と思って運を天に任せました。彼は彼なりに、覚悟を決めた、ということでしょう。

互いに家事担い
〈86年には長男・まなと君を出産。88年には次男・アナン君を出産しました〉
夫は妻が仕事を持つことに、何の偏見もない人でした。私が家を空けても、何の不便もないぐらい人生経験もありますし、料理も私よりずっと上手で手際がいいですからね。お互いに自分の好きな仕事をして、家庭のことは、できるときにできる方がやろう、と。
子育てでは、いや応なく周りの人を巻き込むことに。「うちで預かってあげるわよ」と地域の方が声をかけてくれたこともありました。お手伝いさんにも本当に良い方に恵まれました。
レギュラーの番組があったので、特に産休もありませんでした。「クイズダービー」は2週だけお休みをいただきましたけれど。おなかが大きくなっても、ぎりぎりまで出ていました。子どもが生まれてからは、おっぱいが張るのでさく乳器を持ってスタジオに行きました。
でも「ハリマオ」という映画をフィリピンで撮っていた時は、それもできなくて…。ホテルでお風呂に入ってると、体が温まるからおっぱいが出ちゃうの。その時だけは切なかったですねえ。
〈PTAの役員を務め、ママさんコーラスにも参加。子どもたちもおとなになり、今では2人とも俳優です〉
皆さん、「関口君のお母さん」と普通に接してくれました。芸能人は特殊に見られますが、仕事を離れれば一般人です。私も自分を特別だとは、全く思えないんですね。
最近はパソコンのことなど、いちいち子どもに頭を下げて聞きます。「どうか一つ」「前にも教えたでしょ」「いやいや、今回で最後だから」…(笑)。新型コロナウイルスのワクチン接種も子どもにネットで予約してもらい、さらに頭があがらなくなりました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日曜版 2021年7月4日付掲載


山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズでは「ロ笛を吹く寅次郎」(83年)をはじめ3作に出演。それぞれ違うマドンナ役で3度出演したのは竹下さんだけ。
なるほどねえ~~。
夫は妻が仕事を持つことに、何の偏見もない人でした。私が家を空けても、何の不便もないぐらい人生経験もありますし、料理も私よりずっと上手で手際がいいですからね。お互いに自分の好きな仕事をして、家庭のことは、できるときにできる方がやろう、と。
ジェンダー平等の先端をいっていますね。


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