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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

岸田政権の経済・財政運営をよむ① 国民への視点欠く方針

2022-06-09 06:27:26 | 予算・税金・消費税・社会保障など
岸田政権の経済・財政運営をよむ① 国民への視点欠く方針
岸田文雄政権が発表した「骨太の方針」原案(以下、原案)と「新しい資本主義実行計画案」(以下、計画案)は6月7日、閣議決定される予定です。これらの方針が日本経済と国民の暮らしに何をもたらすのか考えます。

原案を決定した5月31日の経済財政諮問会議での席上、岸田首相は今年の骨太の方針について、「新しい資本主義の実現に向け」た「岸田内閣の経済財政運営と改革の全体像を明快に示すもの」と説明しました。この方針の行きつく先に、岸田首相のいう「新しい資本主義」が待ち受けていることになります。

露骨な軍事偏重
今年の原案の最大の特徴は、軍事力を「抜本的に強化する」と明記したことです。しかも「スタンドオフ防衛能力や無人化装備、宇宙・サイバー・電磁波領域を含む領域横断能力、機動展開能力、指揮統制・情報関連機能」など具体的に強化点を列挙。先端技術の研究開発については「民生技術を取り込」むとしました。「装備移転に係る見直し」という表現で武器輸出の規制緩和も盛り込みました。
従来、骨太の方針は軍事分野については抑制的に書かれていました。初めて決定された01年度の骨太の方針には、軍事に対する記述はありませんでした。それ以降、記述された場合にも「効率的な整備」などの表現で、財政負担を軽くしようとする意識がありました。04年度版には「自衛隊の既存の組織・装備等の抜本的な見直し・効率化を図る」とまで表記されました。
ところが、軍事力の整備について「効率的」という表現は17年度以降使われなくなりました。そして、今回初めて軍事力の強化について「抜本的」という表現が用いられたのです。



開発中のスタンドオフミサイル(JSM)のイメージ図(防衛省のホームページから)

財界リーダーが
計画案は、「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義.である」とし、「新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく」と宣言します。原案では、そのための経済財政運営について「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」を「堅持」すると述べました。これは、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にすると豪語した安倍晋三政権時代のアベノミクス「3本の矢」と一言一句変わりません。
文書を取りまとめた経済財政諮問会議には、十倉雅和経団連会長、新しい資本主義実現会議には十倉氏のほか桜田謙悟経済同友会代表幹事、三村明夫日本商工会議所会頭など資本主義体制を維持・強化してきた財界のリーダーが名を連ねます。そのため、新しい発想ができず、国民への視点を欠いた方針になっているのです。
目下、国民生活を最も苦しめている物価高騰について、原案は「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の「迅速かつ着実に実行」をうたいます。しかし、緊急対策で新たに措置された国費支出は2・7兆円と極めて不十分です。しかも、5月31日に成立した補正予算で新たに盛り込まれたのは、原油価格の高騰対策の一部、1・2兆円にすぎません。物価高騰に最も効果のある消費税減税を求める声が国民から沸き起こっても、岸田首相は「消費税減税は考えていない」という態度です。
巨額の財政を投入して軍拡と大企業奉仕を続ければ、財政危機はさらに深刻になります。庶民増税と国民向け予算のさらなる削減を招きかねません。
(つづく)(5回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年6月7日付掲載


計画案は、「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義である」とし、「新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく」と宣言。
経済財政運営について「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」を「堅持」する。これは、日本を「世界で一番企業が活動しやすい国」にすると豪語した安倍晋三政権時代のアベノミクス「3本の矢」と一言一句変わらない。
さらに悪いことには、軍事力を「抜本的に強化する」と明記したこと。


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