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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「骨太の方針」の実像② 大企業に巨額の税金

2023-06-23 07:08:27 | 経済・産業・中小企業対策など
「骨太の方針」の実像② 大企業に巨額の税金
「新しい資本主義の加速」を掲げる「骨太の方針」のキーワードは二つです。一つは、「三位一体の労働市場改革」。もう一つは、「官民連携」です。
「三位一体の労働市場改革」(▽リスキリング▽職務給▽成長分野への労働移動の円滑化)が想定している労働市場の在り方は、次のようなものです。まず、労働者自身が、“企業利益を生み出す能力”を高めるために、個人の努力で技能を向上させることです。そして、労働者の転職が容易になるように制度を改め、政府・財界が「成長分野」だと想定している産業に人材を集中させることです。



愛知県豊田市になるトヨタ自動車本社

自己責任強いる
個々の労働者には、自己責任が押し付けられます。長年のたたかいの中で勝ち取ってきた労働者保護法制は骨抜きにされてしまいます。労働時間を管理するという企業側の責任もあいまいになってしまう危険もあります。企業利益の強化に貢献しない労働者たちは、切り捨ての対象となるでしょう。
「官民連携」を掲げる骨太の方針は、「予算・税制、規制・制度改革を総動員して、国が呼び水となる政策を集中的に展開する」と強調します。しかも、「単年度主義」を形骸化しようとしています。十倉雅和経団連会長は19日の記者会見でこのこども・子育て、軍事、GX(グリーントランスフォーメーション=脱炭素)の分野を挙げ「単年度で議論できる話ではなく、5年、10年、20年で議論する話」であり、「経団連が強く申し上げてきた成果だ」と強調しました。
会計年度ごとに予算を作成し国会で審議する財政民主主義の根幹への攻撃にほかなりません。

官民連携の名で
「骨太の方針」が「経済成長のエンジン」と見込んでいるのはAI(人工知能)、量子技術、健康・医療、さらに宇宙開発、海洋分野などです。さらに、「経済安全保障など市場や競争に任せるだけでは過少投資となりやすい分野について、官が的を絞った公的支出を行い、これを呼び水として民間投資を拡大させる」とし、経済安全保障を口実に、巨額の税金を湯水のように使おうとしています。政府は、経済安全保障法に基づき、トヨタ自動車が国内で計画する電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の開発や生産に最大1178億円を補助することにしています。
また、「骨太の方針」は、今後10年間で150兆円超の官民GX投資を実現することを掲げました。GXには、原発の推進も含まれています。政府は、公的資金1兆円程度を新型炉開発に投入することを計画しています。
「骨太の方針」が進める経済政策は、大企業には「官民連携」の名で、湯水のように税金を注ぎ込み、労働者には、「労働市場改革」の名で自己責任を押し付ける、というものです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月21日付掲載


「新しい資本主義の加速」を掲げる「骨太の方針」のキーワードは二つ。一つは、「三位一体の労働市場改革」。もう一つは、「官民連携」。
経済安全保障を口実に、巨額の税金を湯水のように。
トヨタ自動車が国内で計画する電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の開発や生産に最大1178億円を補助することに。
今後10年間で150兆円超の官民GX投資を実現することを。GXには、原発の推進も。

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