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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機③ マーシャル諸島(下) 核物質漏れ懸念

2020-01-09 09:42:19 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
守ろう地球の未来 襲いかかる気候危機③ マーシャル諸島(下) 核物質漏れ懸念
「核汚染物質が漏れ出して太平洋に広がるのではないか。疑問や懸念が近隣諸国からも噴き出しています」
2009~11年にビキニ環礁の市長を務めたアルソン・ケレンさんが指摘するのは、マーシャル諸島北西部に位置するエニウェトク環礁ルニット島にある「ルニット・ドーム」のことです。

無責任な大国
米国はビキニとエニウェトクの両環礁で、1946~58年に67回の核実験を行いました。米国はその後、核爆発でできたクレーターに、放射能汚染廃棄物や米本土の核実験場の汚染土を流し込み、コンクリートでふたをしました。
これがルニット・ドームです。米紙によると、オリンピックサイズ(長さ50メートル、幅25メートル)のプール35個分に相当する核汚染物質が格納されています。
70年代につくられ老朽化が進むドームに改めて注目が集まっている背景には地球温暖化の問題があります。海面上昇によって波がコンクリートを浸食し、崩壊の危険があると懸念されています。
「マーシャル諸島は核実験の被害に苦しんできました。今度は気候変動がさらに襲い掛かり、問題が深刻になっています。大国がもたらした二重の被害です」とケレンさんは語ります。
マーシャル諸島政府はルニット・ドームについて米国に対策を要求しています。米政府は、ドームはマーシャル諸島内にあるので責任は同国政府にあるという立場です。
ケレンさんは「自分が汚染物質を捨てて行ったのに、処理の責任はあなたたちが取りなさいというのは、あまりに不当で不正義です。マーシャル諸島が汚染されたのは、米国が核実験をしたからです」と憤ります。



ルニット・ドームの危険性について語るアルソン・ケレンさん=2019年12月30日、マジュロ(島田峰隆撮影)

「正義を追求」
マーシャル諸島の国会は昨年、「国家核戦略」を承認し、ルニット・ドームの危険性と環境への影響を調査する方針を確認しました。同戦略は、2017年に大統領府のもとに発足した「全国核委員会」が作成しました。委員会の任務は米国の核実験に関して補償、医療提供、汚染削減などの「正義を追求する」ことです。ケレンさんも委員の一人です。
批判の高まりを受けて、米国もルニット・ドームの問題を無視できなくなっています。昨年成立した国防権限法には、法律の成立から180日以内に、ドームの状態について議会に報告するようエネルギー省に求める内容が入りました。
ケレンさんは「大きな国でも小さな国でも住んでいるのは同じ人間であり、平和に暮らす権利を持っているはずです。核問題も気候変動も大国が起こした問題です。私たちは正義を追求し続けます」と強調しました。(マジュロ=島田峰隆写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年1月6日付掲載


マーシャル諸島には地球温暖化の影響だけでなく、アメリカが地上核実験をやっていた時代の負の遺産があるのです。
現地での核爆発だけでなく、アメリカ本土のネバダなどで発生した汚染土を持ち込んでいる。
いくらコンクリート詰めしたといっても、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の石棺が壊れていっているように、経年劣化で放射能漏れ。

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