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気候変動 国土失う懸念 国際司法裁の「勧告的意見」求め島国バヌアツ運動開始

2021-10-02 06:59:13 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
気候変動 国土失う懸念 国際司法裁の「勧告的意見」求め島国バヌアツ運動開始
太平洋の島国バヌアツは25日、気候変動について国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)の「勧告的意見」を求める国際的な運動を開始すると明らかにしました。各国に賛同を働き掛け、2022年の国連総会で同意見を求める決議の採択を目指します。



国際法の確立念頭
バヌアツはおよそ80の島からなり、人口は約30万人です。同国政府によると、過去5年間に最大級のサイクロンが2度襲来しており、海面上昇で国土が失われることが懸念されています。



サイクロン通過後、首都ポートビラへ船で通勤するバヌアツの人々=2015年3月(ロイター)

勧告的意見
国連の司法機関である国際司法裁判所(ICJ)が法律問題について表明する見解。国連総会と国連安保理はあらゆる法律問題について同裁判所に求めることができます。その他の国連機関も総会の許可があればそれぞれの活動範囲の問題について求めることができます。勧告的意見には国連や加盟国を拘束する力はありません。

バヌアツ政府は声明で、「気候に関連する出来事から生じる破壊をめぐる話は、もはや特別なことではなくなっている」と表明。ICJの勧告的意見を通じて、気候変動による損害や損失の補償、人権の擁護に関する国際法の確立に道を開きたい考えです。
気候変動についてICJの勧告的意見を求めることは、パラオが11年に国連総会に提案したものの、その後の総会では追求されていません。マーシャル諸島やバングラデシュも同様の考えを表明しましたが実現していません。その後、国際的な環境保護運動が呼び掛けてきました。
そのうちの一つ、「気候変動とたたかう太平洋諸島の学生」はバヌアツ政府の決定を歓迎しています。
ロイター通信によると同組織のカレブ・ポラード議長は、気候変動に対するこれまでの国際的な対応は「ほとんどが『応急処置』の解決策だった。
実際には時間稼ぎで、現実に意味のある転換をもたらすことはできなかった」と指摘しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月27日付掲載


人口30万人の太平洋の島国・バヌアツ。
海面上昇で国土が失われることが懸念。
伊根の舟屋と同じ様な風景。
ICJの勧告的意見を通じて、気候変動による損害や損失の補償、人権の擁護に関する国際法の確立に道を開きたい。
国際社会は、国土が失われることに積極的かかわりに対処を。

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