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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

子どもたちとコロナを学ぶ② 正しく知って行動 学校生活を楽しく

2021-10-01 07:14:46 | 新型コロナウイルス
子どもたちとコロナを学ぶ② 正しく知って行動 学校生活を楽しく
新型コロナについて、子どもたちが正しく知ることで、学校生活を楽しくすることも可能になります。子どもたちとコロナを学ぶ②に続き、とりくみを紹介します。(染矢ゆう子)

大阪・公立小 日名大悟さん
大阪府内の小学校教員、日名大悟さんは昨年9月、担任する小学3年生に新型コロナを学ぶ授業を行いました。

マスクする時 外してよい時
クラスには、マスクをしづらい発達障害の子がいます。その子も含め、すべての子どもにマスクをする理由と外してよいときを分かってもらおうと、計画しました。
ちょうどそのころ、職員会議で児童のマスク着用が議論になりました。
日名さんは文部科学省の通達に「児童生徒本人が暑さで息苦しいと感じた時には、マスクを外したり、一時的に片耳だけかけて呼吸したりするなど、自身の判断でも適切に対応できるように指導します」とあることを紹介し、柔軟な対応を求めました。
WHO(世界保健機関)も発達障害を抱える子どもについては「マスク着用を強制しないよう推奨する」という見解を出しています。日名さんは「ウイルスは目に見えません。意味が分からないまま規律を強めて子どもを抑えるのではなく、子どもの納得と体調に合わせてルールを定めていきたい」と考えました。
授業の2カ月前にクラスでアンケートをとりました。「感染すると学校で勉強できなくなる」「友達が亡くなったらどうしよう」「どうしても密集してしまう」などの思いが出されました。知っていることや心配なことを交流し、新型コロナウイルスの特徴や“倒し方”などを、10時間かけて学習しました。



日名さんが授業で使った教材(学校体育研究同志会健康教育分科会発行の健康教育実践集から)

マスクの穴と飛沫の大きさ
「マスクVS新型コロナウイルス」の授業では、くしゃみやおしゃべりで出る飛沫の大きさとマスクの穴の大きさは、ほぼ同じだと紹介。マスクで防げることを学び、「いろいろ知ることができて安心した」という子どもの感想もありました。
コロナについて勉強したことで、マスクなしで声を出すなどの感染リスクが高い場面について、共通の理解ができました。「学んだことを生活場面で何度も何度も引き合いに出すことによって、徐々に学びが生活と結びつき、徐々に子どもが自分で判断していけるようになる」と日名さんはいいます。
授業中など黙っているときや外ではマスクをしなかったり、マスクから鼻を出している子どももいます。発表するときにはしっかりとつけてもらいます。
デルタ株が広がり、子ども同士の感染も出てきた今は、マスクをしていない子がいることを心配する子も増えてきました。給食準備中に話している子には「飛沫のこと、思い出そうね。協力お願いね」と声をかけると、マスクのことを思い出すことができます。
子どもたちと学んだことが、全学年での「おまつり」の感染対策にもつながりました。縦割り班で行う「おまつり」は、昨年11月末の第3波の真っ最中でした。日名さんは学んだことを1枚のチラシにして、全教職員に知らせました。
「おまつり」では、10人ずつの各班が5分ずつだけ、一つの空間に滞在するように制限しました。10人が並ぶ場所にも1メートル間隔でテープを貼り、距離を確保しました。
コロナ禍でも、楽しい学校生活を送る工夫をしました。

給食の時間に講座や動画も
昨年6月からは給食の時間に、「歴史講座」や「生き物講座」を行ってきました。発表したいと手を挙げた十数人の子どもたちが、かわるがわるマスクをして、前を向き、書画カメラを使って、歴史や生き物などを学級のみんなに紹介します。
4年生になっても講座は続き、6月に国語の説明文「アップとルーズ」を学習してからは、カメラワークを確かめるという目的のもと、動画を見る時間になりました。子どもたちが見たい動画を黒板に書いておき、教員用のタブレットで再生したものを順番にテレビで流しています。「2年生までおしゃべりしながら給食を食べていた4年生にとって、黙食は苦痛です。講座や動画で楽しく過ごせる時間にしていきたい」と日名さん。
9月に入って周辺でも臨時休校が増えました。「行事の開催は昨年以上に心配ですが、安心できる環境で、子どもたちがやりたいことをできるだけ実施していきたいです」

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月27日付掲載


「ウイルスは目に見えません。意味が分からないまま規律を強めて子どもを抑えるのではなく、子どもの納得と体調に合わせてルールを定めていきたい」
「マスクVS新型コロナウイルス」の授業では、くしゃみやおしゃべりで出る飛沫の大きさとマスクの穴の大きさは、ほぼ同じだと紹介。マスクで防げることを学び、「いろいろ知ることができて安心した」という子どもの感想も。

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