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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2021年概算要求の焦点⑧ 地方財政 デジタル化で懸念

2020-10-23 08:04:32 | 経済・産業・中小企業対策など
2021年概算要求の焦点⑧ 地方財政 デジタル化で懸念
2021年度予算の概算要求で総務省は、地方の一般財源総額(地方税や地方特例交付金、地方交付税など自治体が自主的判断で使える財源)について、「仮置き」の数字として、20年度比0・2兆円減の63・2兆円と見込みました。
新型コロナウイルスの影響によって地方税等(地方譲与税、地方特例交付金を含む)は、3・5兆円(8%)減の40・3兆円。地方交付税等(同交付税不足分を振り替える臨時財政対策債6・8兆円を含む)は3・3兆円(17%)増の23兆円としました。
一般財源総額をめぐっては、政府は18年に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」で、「2018年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」としており、今回の要求は、国・地方の税収大幅減が見込まれるもとでも、おおむね同方針を踏まえたものです。
全国知事会などが拡充・継続を求めていた、地域活性化策を進める「まち・ひと・しごと創生事業費」は20年度と同額の1兆円が計上されました。





マイナンバーカードを管理する地方公共団体情報システム機構が入るビル=東京都千代田区内

独自性喪失
総務省は「デジタル変革の加速による『新たな日常』の構築」を主要な柱の先頭に掲げ、デジタル・ガバメントの推進に139・5億円を要求。「自治体情報システム標準化」として4・1億円を計上し、厚生労働省も介護保険システムの標準化経費を要求しています。
自治体が保有する情報システムの標準化は、自治体施策の独自性や多様性を失わせ、住民サービスの低下が懸念されます。
また、マイナンバー制度推進の予算を1451億円としました。
総務省の2020年版「情報通信白書」では、約8割の国民がパーソナルデータの提供に「不安を感じる」と答えているにもかかわらず、政府はマイナンバーカードに健康保険証や運転免許証、国税、年金などの情報をひも付けしようとしており、国民監視の強化や、個人情報の漏えいが懸念されます。

衰退の危険
概算要求の中身は、広域連携や行政サービスの民間委託、公共施設の統廃合を進める政府の姿勢も示しています。
総務省は、40年ごろにかけて顕在化する人口構造などの変化やリスクに対応するため、自治体間の広域連携を進める予算として、1・1億円を要求。国土交通省は公共施設などを中心地に集結するコンパクトシティ推進予算を、752億円計上しています。いずれも中心市街地の大型開発や周辺地域の衰退が懸念されます。
内閣府は「世界で一番ビジネスのしやすい環境づくり」としてスーパーシティ構想など、国家戦略特区推進予算30・1億円を計上しました。国や自治体の持つ膨大な住民データが事業者に提供され、人工知能(AI)などを用いて利活用される危険があります。
公共施設の管理・運営を民間に委ねる「PPP/PFI」推進予算は、国交省で433億円計上されています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年10月22日付掲載


新型コロナの影響で地方税の税収が減る見込み。その分を地方交付税で補う方向。
情報漏洩の危険のあるマイナンバー推進、周辺地域の衰退が懸念されるコンパクトシティの推進も引き続きされます。

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