#通常国会150日の軌跡④ 政治倫理の崩壊 極限に
「任命した者として、その責任を痛感」「国民に対する説明責任を果たしていかなければならない」―。安倍晋三首相は、河井克行前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反容疑で逮捕された18日の記者会見でも、さまざまな疑惑や不祥事のたびに繰り返してきたフレーズをひたすら並びたてました。
しかし、問われているのは安倍首相の政治責任です。克行氏を重用し、法相に任命しただけでなく、案里氏には自民党本部から1億5000万円もの選挙資金を提供していました。この1億5000万円が選挙買収の原資に使われたのではないかという疑惑が焦点化しています。
今国会では、河井克行・案里夫妻だけでなく、菅原一秀前経済産業相の公職選挙法違反疑惑、元内閣府副大臣の秋元司衆院議員らによるカジノ汚職など、検察の捜査対象となる問題が相次いでいます。極限まで達した政治倫理の崩壊に、政治がどう向き合うのかが間われています。
#進む私物化
ところが、安倍首相は、疑惑に対する国民への説明責任を率先して放棄し続けてきました。
安倍首相が公的行事に地元後援会員を大量招待し、接遇したのではないかという首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑が通常国会冒頭の焦点となりましたが、ここでも安倍首相はまともに説明責任を果たしていません。
そればかりか、官僚を巻き込んで政治を「私物化」し、忖度(そんたく)、虚偽答弁、公文書を隠ぺい・廃棄をあおり続けてきました。
野党は衆参予算委員会などの国会審議だけでなく、合同ヒアリングなども通じて▽公的行事の私物化▽前夜祭をめぐる政治資金規正法・公職選挙法違反▽悪徳マルチ商社とのつながり▽招待者名簿をはじめとした記録文書の破棄・隠ぺい―など次々と追及。安倍首相の国会答弁は変遷し続け、内閣支持率は急落しました。
「桜を見る会」追及本部のヒアリング=1月22日、国会内
#“禁じ手”へ
ところが、窮地に追い込まれた安倍首相は、政治の私物化を反省するどころか、憲法で定められた三権分立すら侵す“禁じ手”に打って出ます。
官邸に近いとされる黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長を閣議決定し、検察庁トップをめぐる人事へ政治介入しました。
そのうえ、黒川人事を後付けで正当化するような検察庁法改定案まで国会に提出。検察の私物化への怒りとともに、新型コロナウイルスの影響で国民が困難に直面するなか採決に持ち込もうとするやり方にも国政私物化との激しい怒りが沸き起こりました。
ツイッターでは「#検察庁法改正案に抗議します」との声が急速に拡散され、野党も国会審議で厳しく追及。黒川氏は賭けマージャンが発覚して辞職し、同改定案も廃案になりました。
国政を私物化する安倍政権の暴走は、後手後手の新型コロナ危機への対応と結びついて国民の激しい怒りをかい、いよいよ後がないところまで追いこまれています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月24日付掲載
「桜を見る会」に始まり、黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長を閣議決定、河井克行前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反容疑など政治の私物化は極まりないものがあります。
野党は合同でヒヤリングを開いて政府を追及してきました。
「任命した者として、その責任を痛感」「国民に対する説明責任を果たしていかなければならない」―。安倍晋三首相は、河井克行前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反容疑で逮捕された18日の記者会見でも、さまざまな疑惑や不祥事のたびに繰り返してきたフレーズをひたすら並びたてました。
しかし、問われているのは安倍首相の政治責任です。克行氏を重用し、法相に任命しただけでなく、案里氏には自民党本部から1億5000万円もの選挙資金を提供していました。この1億5000万円が選挙買収の原資に使われたのではないかという疑惑が焦点化しています。
今国会では、河井克行・案里夫妻だけでなく、菅原一秀前経済産業相の公職選挙法違反疑惑、元内閣府副大臣の秋元司衆院議員らによるカジノ汚職など、検察の捜査対象となる問題が相次いでいます。極限まで達した政治倫理の崩壊に、政治がどう向き合うのかが間われています。
#進む私物化
ところが、安倍首相は、疑惑に対する国民への説明責任を率先して放棄し続けてきました。
安倍首相が公的行事に地元後援会員を大量招待し、接遇したのではないかという首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑が通常国会冒頭の焦点となりましたが、ここでも安倍首相はまともに説明責任を果たしていません。
そればかりか、官僚を巻き込んで政治を「私物化」し、忖度(そんたく)、虚偽答弁、公文書を隠ぺい・廃棄をあおり続けてきました。
野党は衆参予算委員会などの国会審議だけでなく、合同ヒアリングなども通じて▽公的行事の私物化▽前夜祭をめぐる政治資金規正法・公職選挙法違反▽悪徳マルチ商社とのつながり▽招待者名簿をはじめとした記録文書の破棄・隠ぺい―など次々と追及。安倍首相の国会答弁は変遷し続け、内閣支持率は急落しました。
「桜を見る会」追及本部のヒアリング=1月22日、国会内
#“禁じ手”へ
ところが、窮地に追い込まれた安倍首相は、政治の私物化を反省するどころか、憲法で定められた三権分立すら侵す“禁じ手”に打って出ます。
官邸に近いとされる黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長を閣議決定し、検察庁トップをめぐる人事へ政治介入しました。
そのうえ、黒川人事を後付けで正当化するような検察庁法改定案まで国会に提出。検察の私物化への怒りとともに、新型コロナウイルスの影響で国民が困難に直面するなか採決に持ち込もうとするやり方にも国政私物化との激しい怒りが沸き起こりました。
ツイッターでは「#検察庁法改正案に抗議します」との声が急速に拡散され、野党も国会審議で厳しく追及。黒川氏は賭けマージャンが発覚して辞職し、同改定案も廃案になりました。
国政を私物化する安倍政権の暴走は、後手後手の新型コロナ危機への対応と結びついて国民の激しい怒りをかい、いよいよ後がないところまで追いこまれています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年6月24日付掲載
「桜を見る会」に始まり、黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長を閣議決定、河井克行前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反容疑など政治の私物化は極まりないものがあります。
野党は合同でヒヤリングを開いて政府を追及してきました。
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