きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

太陽と風と洗濯物と② 声にだしてみる

2012-02-04 22:01:42 | 写真撮影(県外)
太陽と風と洗濯物と② 声にだしてみる

 都内の大学で一年に一度、今までに制作した作品を映しながら話をするという機会をいただいている。同じ教室で毎年一度だけ話をするというのは、自分の一年を感じるという意味でも面白い経験だ。



 その日が近づくにつれ、3月11日以降のことに触れないわけにはいかないけれど、どう触れればいいのだろう、という思いと同居して過ごしていた。
 そんなとき図書館で写真集『チェルノブイリからの風』(本橋成一)を手に取った。チェルノブイリの北に位置するベラルーシ、放射能汚染で移住地区に指定された土地で、以前と同じように作物と家畜を育て大地とともに生きる人々をとらえた叙情詩のような写真集だ。トマト、ジャガイモ、豚肉、卵とシンプルな料理が美味しそうに並ぶ食卓の写真を見たとき、こことそこが繋がるような感覚を覚えた。何度かみたことがある写真集だが、今感じているような臨場感を持ってみたことがあっただろうか。ああ、想像してみるということはなんと難しいことなのだろう。
 100人の学生を前にして思った。みなさんがまだ生まれる前、1986年チェルノブイリ原発が爆破したとき、私はあなたたちと同じ年頃で大変なことが起きたと思いながらものんきだった。それから25年の間に、東海村で臨界事故が起きて、核燃料製造の過程で発生する劣化ウランを使った爆弾がアフガニスタンやイラクにたくさん落とされて、街がどんどん明るくなって…。今私たちは福島第1原発事故を経験している。
 恥ずかしくもまとまらない話をしながら、それでも声に出してみることで今生きている一人としての責任を実感していた。
(写真家)(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年1月13日付掲載



一年に一度、今までに写した写真に振り返るってことはプロの写真家だけでなくっても、大事な事でしょうね。
あの時、どんな思いでシャッターを切ったのか、作画意図は、フレーミングは、絞りやシャッタースピードは・・・
技術だけでなく、その時の心思いを思い返してみることになります。


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