ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシアの密漁カニが日本の港へ殺到 違法なカニの供給を増加させ市場価格を下落させる

2012-10-30 15:08:18 | 日記

2012年10月30日
モスクワ発
[ロシアの密漁カニが日本の港へ殺到]
日本との水棲生物資源の密漁密輸(IUU漁業)防止協定合意が、違法なカニの供給を増加させ市場価格を下落させる逆効果現象を招いている。
この協定は、今年2012年9月にウラヂオストクで開催されたAPEC首脳会談において署名され、現在、両国は来年2013年の初めの発効を目指し、国会承認などの国内手続き作業を進めている。
協定にはロシア権限機関当局が発給する原産地証明の取得の義務化等が盛り込まれており、カニの密漁密輸業者は、発効するまでの間に駆け込みで取引を拡大させたものと考えられる。
ロシア漁業庁によると、北海道の港へ陸揚げされる60%のロシア産カニは密漁密輸製品で、これらは、カンボジア、ベリーズ等の便宜置籍(FOC)船によって搬入されている。
この2ケ月間で日本におけるカニの卸売価格は40%以上下落した。
また、日本の港を経由して、韓国へ供給される新しい密漁密輸カニのルートが指摘されている。
今年2012年7月、ロシアと韓国はIUU漁業防止協定の内容を強化し、韓国の輸入にロシア権限機関当局が発給する原産地証明の添付が義務付けられた。
日本は協定発効までの間、法的には、韓国との協定と同様の義務付けがないため、日本の北海道の港を経由し、韓国へ再輸出される密漁密輸カニも急増している。
この件について、日本は、まだ、協定が批准、発効前であり、法的義務がないと主張しているが、ロシア極東漁業者連合代表ドレムリュガは、これらの活動が、ロシア極東漁業者に極めて悪影響を与えていると言及した。
また、沿海地方漁業者協会会長マルテイノフは、日本とIUU漁業防止協定が署名された当初、これで密漁密輸がなくなると思ったが、実際には、日本へのカニの密漁密輸は拡大しており、今後のロシア税関とFSB国境警備局の活動に期待すると表明した。
ロシア漁業庁は、IUU漁業防止協定発効までの間の問題解決には、日本の指導者の政治的意思が必要だと指摘している。
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