2017年08月10日
モスクワ発
[国連の制裁措置は北朝鮮水産物を下落させる]
北朝鮮が2度にわたりICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射したことを受け、国連の安全保障理事会は、2017年8月5日、石炭や鉄、そして水産物などの輸出を全面的に禁止することを柱とする新たな制裁決議を、ロシアや中国を含む全会一致で採択した。
この措置により北朝鮮の水産物が下落していると、カナダ”The Globe and Mail”のリポートを引用し、ロシア業界紙(WEB)が伝えた。
北朝鮮の中国資本水産加工場は閉鎖し、所有者は、できるだけ多くの資産を確保して北朝鮮を去る試みをしており、イカの市場価格は既に1/3になっている。
また、北朝鮮の海外労働者を新たに雇用することを禁止する措置が決定されたことも、中国の水産業に大きな影響を与えている。
極東の水産業のハブ、琿春はロシアと北朝鮮の国境に位置しており、北朝鮮からの原料と労働力を一部梃子としてきた。
中国”Dalian Yingjie Foods”社も、北朝鮮の安い労働力でスケトウダラ等の加工を目的に新工場の建設を琿春で計画していたが、これを断念した。