
2017年08月20日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国原子力学会 “北太平洋水産物を300年間食べてはいけない”不安を煽るフェイク情報と批判]
脱原発政策主張者、東国大学医学部教授(微生物学)キム・イクジュンが、北太平洋の水産物について、福島原発事故でセシウム-137に汚染されており300年間食べてはいけない等の主張をしているが、これは不安を煽るフェイク情報だと、2017年8月16日、韓国原子力学会が発表した。
韓国水産業界紙(WEB)が伝えた。
原子力学会が、キム・イクジュンが講演と著書で明らかにした内容を細かく反論、原子力に関連した誤りを正す行動を開始した。
原子力学会は、キム・イクジュンが、北太平洋の水産物に関して、福島原発事故でセシウム-137に汚染されており300年間食べてはいけないとし、食品に放射性核種が全く検出されないことこそが安全であると主張したことについて、「全く事実と違う」と反論した。
原子力学会は、地球上のほぼすべての物質に、放射性核種が存在、セシウム-137は、過去の核実験の影響で、地球全体に低濃度であり、韓国の農水産物や土壌も検出されるとし、キム・イクジュンが例に挙げた、北太平洋の水産物の放射能検査でセシウム-137が基準値である1kgに100Bq(ベクレル)を超えた事例がないと明かにした。
また、これは、国民に放射線に対する誤解を与え、原発に対する不安感を煽るために作った“フェイク情報”に過ぎないと強調した。
また、原子力学会は、放射能の安全基準値はなく、(放射能被爆で)地球上に存在するほとんどのガンが増加するという内容が医学の教科書に掲載されているというキム・イクジュンの主張に対して、どのような医学の教科書にも、このような内容はなく、予防医学の教科書に記述された「確率論的影響」を自分だけの方法で解釈したものと一蹴した。
さらに原子力学会は、キム・イクジュンが、日本政府は福島の事故の疫学調査を実施していなかったとしているが、これは明白な嘘で、2011年から福島医科大学は、「福島の健康管理調査」の一環として、福島の住民205万5,305人を対象に基本的な調査を実施していると指摘した。
原子力学会は、微生物学者のキム・イクジュンが、「医大教授」という肩書を利用して専門家の科学的根拠“ファクト(fact)”を歪めているとし、国民の自律性を侵害してはならないと言及、学術誌への論文発表の過程においても、“専門家の審査(peer review)”を受けるべきと厳しく忠告した。
原子力学会の会員である慶熙大教授ジョン・ボムジンは、感情混じりの発言、抽象、あいまいな主張で、原子力分野にあまり知識をもたない一般市民を欺くことも、もはや繰り返されることはないだろうと語った。