2018年11月19日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北海道隣接日本海ロシア海域スケトウダラTAC 更に増加へ]
ロシア農業省は2018年11月9日付No.、516により、来年2019年のTACを承認した。
この中で資源評価が低迷していた北海道に隣接する日本海(沿海地方海域・西サハリン海域)のTACについては、2016年(6,520トン)で底を打ち、2017年、2018年と連続して増加、来年2019年のTACは1万6,000トンとなった。
なお、沿海地方海域については、今年2018年春の太平洋海洋漁業研究所チンロセンターによる勧告(1万3,500トン)より更に500トン上積みのTAC設定となった。
(関連過去情報)
2018年05月11日 水産経済新聞【札幌】
[日本海北海道隣接ロシア海域スケトウダラのTAC案 大幅な増枠]
北海道機船連によると、ロシアの漁業研究機関「チンロセンター」は2018年5月3日、来年2019年の極東海域のスケソウ漁獲可能量(TAC)案を発表した。総計は18年TAC比微増の178万500トンで、引き続き高水準の漁獲が続く見込みとなっている。
TAC案は関係省庁の承認などを経て、例年秋ごろに正式決定される。
海域別にみると、西べーリングが18年TACに比べ2%増の39万9,800トンとなったほか、南千島も11%増の10万4,400トンと増加。
ボリュームは小さいものの、日本海(沿海地方、西サハリン)も28%増の1万5,500トンと大幅な増枠提示となった。
最もボリュームの大きいオホーツク海は一部海区が微減したが、全体ではほぼ前年並みの107万1,200トンを確保。
北千島は9%減の9万7,900トンと減少した。
ロシアのスケソウTACは、02年に93万トンと100万トンを割ったが、07年ごろから増加傾向となり、近年は170万-180万トンの高水準で推移、実際の漁獲も拡大基調をたどっている。
道機船連の原口聖二常務は19年のTAC案のうち、北海道に隣接する日本海のTAC案が大幅な増枠となったことに言及。「この海域の資源は日本側とも往来しているとされている資源。16年(6,520トン)で底を打って以降、これで3年連続の増枠提示であり、資源増加の兆候として期待したい」とコメントしている。