2023年04月28日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ロシア漁業庁 2023年漁期 太平洋サケマス操業戦略会議を開催]
ロシア漁業庁は、同庁長官シェスタコフが議長を務め、今年2023年漁期の太平洋サケマス操業戦略会議を開催した。
ロシア極東地方における今漁期の太平洋サケマス操業は、同年6月1日から開始され、約51万2,000トンの漁獲が勧告されている。
会議では、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ、中央魚類保護管理再生産機関”グラヴリヴォド”、そしてロシア漁業庁地域管理局の代表者が、それぞれ報告を行った。
シェスタコフは、漁期前の優先課題として、サケマス増殖事業の産卵場の最適な管理と商業漁業のための経済効率を考慮した合理的操業体制の編成、そして、国内需要を満たすための生産体制の構築を指摘した。
ロシア漁業庁副長官ソコロフは、効果的なすべての措置が完了し、漁期の成功を目的とする必要な命令が発出されていると報告した。
カムチャツカ地方とチュコトカ自治区で同年6 月1日、沿海地方で同年6月5日、マガダン州で同年6月12日、そして北海道に隣接するサハリン州では6 月18日に、それぞれ操業が開始される。
ロシア漁業庁は、今漁期の太平洋サケマス操業に特化して、ワーキング・グループを設置、第1回会合を同年6月20日に行うこととしている。
ロシア漁業庁の各地域管理局は、魚類保護計画、取締体制の強化、そのための燃料、機器、一時的雇用職員の制服の調達等、今漁期に向けた準備が整っていることを報告した。
”グラヴリヴォド”の各支部も、稚魚放流、産卵魚の捕獲と採卵、産卵場の監視等、今漁期に向けた準備が整っていることを報告した。
同機関は、今年2023年、国営事業として1億7,800万尾の稚魚放流を計画しており、すでに4,200万尾は実行済となっている。
なお、会議では、このほか、ロシア中央部・西部への製品物流にかかる北極海航路の活用、来遊予想と沿岸処理能力のバランス評価等についても話し合いが行われた。