ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

北海道隣接サハリン州 この4年間で漁業分野投資が80億ルーブルを超える リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2023-04-30 20:25:13 | 日記

 

2023年04月30日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[北海道隣接サハリン州 この4年間で漁業分野投資が80億ルーブルを超える]

北海道に隣接するサハリン州(サハリン・クリール地域)の漁業分野の近代化のための投資は、この4年間で80億ルーブルを超えた。

17隻の漁船が建造され、陸上水産加工場8施設とサケマス孵化場9施設が建設された。

最大のプロジェクトは、”ギドロストロイ”(Гидрострой)グループが2019年、色丹島に建設したスケトウダラ加工場で、すり身とフィレの生産ラインが設備され、投資額が65億ルーブルに達した。

同工場は昨年2022年、前年比1.5倍となる1万5,000トンのすり身と5,000トンのフィレを生産した。

北クリールのパラムシル島セヴェロクリリスクでは2020年、7億8,500万ルーブルの投資によりフィッシュミールとオイル、そしてマダラのフィレと魚卵、カレイ、オヒョウ、コマイ、ソコダラ等の製品加工場が建設された。

国後島では、”ユジノクリリスキー・ルイブコンビナート”(Южно-Курильский рыбокомбинат)が2021年、17億ルーブルの投資により1日500トンの処理能力を持つ近代的な加工複合施設を建設したほか、船団の更新も行われた。

更に、”ギドロストロイ”は2022年、3隻のトロール漁船の船内にスケトウダラのすり身とフィレの生産ラインを設備したほか、択捉島のキトーヴイにサケマスとスケトウダラの周年加工が可能な新たな陸上施設を建設した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年春季オ海抱卵スケトウダラ操業“ロシア漁業会社”所属トロール漁船が漁獲成績トップ3を占める  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2023-04-30 19:25:07 | 日記

 

2023年04月30日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2023年春季オ海抱卵スケトウダラ操業“ロシア漁業会社”所属トロール漁船が漁獲成績トップ3を占める]

今年2023年1月1日から同年4月10日まで展開された春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業の漁獲成績において、ロシア漁業最大手”ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ “(Русская рыбопромышленная компания「ロシア漁業会社」)所属新鋭スーパートロール漁船“ウラヂミル・リマノフ”(Владимир Лиманов)と“カピタン・ヴドヴィチェンコ”(Капитан Вдовиченко)に既存トロール漁船“カピタン・オレイニチュウク”(Капитан Олейничук)が続き、1位から3位までを独占した。

新鋭スーパートロール漁船“ウラヂミル・リマノフ”と“カピタン・ヴドヴィチェンコ”の当該漁獲成績は、それぞれ2万7,180トンと2万7,163トンで近似の結果を残した。

「ロシア漁業会社」はスーパートロールのモデル船としてトルコ造船所で“ウラヂミル・リマノフ”(Владимир Лиманов)を建造し2021年に、また、同デザインで“投資クオータ”を利用し国内で建造した“カピタン・ヴドヴィチェンコ”(Капитан Вдовиченко)を2022年10月に、それぞれ操業開始させている。

更に、“投資クオータ”を利用して進めているスーパートロール漁船シリーズ建造プロジェクトの2隻目”メカニック・マスラク”(Механик Маслак)を、2023年2月2日、サンクトペテルブルグのアドミラル造船所から引き渡されている。

同社は“ウラジミル・リマノフ”と同タイプのシリーズのスーパートロール漁船を更に“投資クオータ”を利用して10隻揃える計画をしている。

このシリーズ船は全長108mで、年間6万トンの漁獲能力を有し、船内で1万5,000トン以上のスケトウダラのフィレ、ミンス、すり身を船内で生産、残滓はミールとオイルに完全に処理され、漁獲物の最大100%を付加価値製品化することを可能にするプラントが設置される。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

他国EEZに禁漁期間設定を発表する中国 ベトナム漁業協会が領有権侵害と批判

2023-04-30 10:35:04 | 日記

 

2023年04月30日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[他国EEZに禁漁期間設定を発表する中国 ベトナム漁業協会が領有権侵害と批判]

ベトナム漁業協会は、南シナ海の一部海域に中国政府が禁漁期間を設定し、これを発表したことについて、領有権侵害だと批判して、不当な禁止を直ちに終了するよう中国に要求する外交対応を自国政府に求めた。

中国は、今年2023年も、西沙諸島(パラセル諸島)周辺海域を含む南シナ海12°00′N–26°30′N海域について明日5月1日から8月16日までの間、漁業活動を禁止すると発表した。

一部漁業種に例外設定があるが、中国の発表した禁漁期間は次のとおりとなる。

渤海/黄海 5月1日-9月1日 35°00′N 以北海域

南シナ海/東シナ海 5月1日-8月16日 12°00′N – 26°30′N 海域

黄海 5月1日-9月16日 26°30′N – 35°00′N 海域

ベトナムは漁業禁止区域の一部が、西沙諸島(パラセル諸島)の領有権を侵害するものであり、2000年に両国が締結したトンキン湾境界画定協定にも違反するとの立場をとっている。

西沙諸島(パラセル諸島)は、ベトナムの東約240km、中国の海南島の南東約300kmに位置し、50近いサンゴ礁の島と岩礁で構成されている。

全ての島嶼を中国が実効支配しているが、ベトナムに加え台湾も領有権を主張している。

一方、中国は南シナ海の約90%に対する領有権を主張し、周辺に沿って一方的に*“九段線”を引き、人工島を建設しながら軍事基地化して論議を触発している。

なお、2016年7月12日、オランダ・ハーグの国際常設仲裁裁判所は、九段線とその囲まれた海域に対する中国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする所謂*“南シナ判決”を下している。

*九段線、またはU字線、牛舌線は、南シナ海にある南沙群島(スプラトリー諸島)や西沙諸島(パラセル諸島)の領有権及び両諸島周辺の領海、排他的経済水域(EEZ)、大陸棚といった海洋権益問題に関して、1953年から中国と台湾がその全域にわたる権利を主張するために地図上に引いている破線で、断続する9つの線の連なりにより示される。

2012年5月15日から中国の発行するパスポートの査証欄に九段線が印刷されている。

*南シナ海判決

1982年の国連海洋法条約附属書VIIに基づく南シナ海問題に関するフィリピンと中国の国際仲裁判決。

通称、南シナ海仲裁判決(裁定)。

この事件は、中華人民共和国が、海域や島々の領有権を有すると主張してきた、いわゆる九段線に囲まれた南シナ海の地域について、フィリピンが国連海洋法条約の違反や法的な根拠がない権益の確認を国際常設仲裁裁判所に対して申し立てた仲裁裁判となる。

2013年からフィリピンは中国に対して警告を行ってきたが、中国側が拒絶してきたため、2014年、フィリピンは常設仲裁裁判所に対してパネルを設置し、仲裁を要望した。

2016年7月12日、オランダ・ハーグの国際常設仲裁裁判所は、九段線とその囲まれた海域に対する中国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下した。

判決の概要

中国による九段線で囲まれた海域に対する歴史的権利等の主張は、国連海洋法条約に反するもので認められない。

スカボロー礁、ガベン礁(北側の礁のみ)、ケナン礁(ヒューズ礁を含む)、ジョンソン南礁、クアテロン礁及びファイアリー・クロス礁は、いずれも「岩」であり、12海里の領海のみを有する(排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚を生成しない)。

南沙諸島の「高潮高地」(例えば、イツアバ島、パグアサ島、ウエストヨーク島、スプラトリー島、ノースイースト島、サウスウエスト島)はいずれも、国連海洋法条約121条3項で定める「人間の居住又は独自の経済的生活を維持すること」ができる海洋地勢ではなく、EEZ及び大陸棚を生成しない。

ミスチーフ礁、セカンドトーマス礁及びスビ礁は、いずれも満潮時に海面下に沈む「低潮高地」であり、いかなる海洋権限も有さない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業 魚価高が生産減を覆い隠す

2023-04-30 07:54:59 | 日記

 

2023年04月30日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業 魚価高が生産減を覆い隠す]

アイルランド漁業の英国EU離脱による生産減の実態が、魚価高により見えにくくなっている。

昨年2022年、漁業生産額が14%、養殖生産額が10%、それぞれ前年比で増加し、水産分野の生産額は13億ユーロ(14億ドル)に達した。

また、新型コロナウイルスからの回復が続き、国内水産物消費量も13.5%増加し4億7,500万ユーロ (5億 2,100万ドル) となった。

しかし、一方でアイルランド漁業の漁獲量は英国のEU離脱の影響を受け17%減少した現実が存在している。

英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。

譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。

2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)

2025年:100%(25.0%)

非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。

英国に渡る漁獲割当の国別負担は、アイルランドが40%で、EU諸国が60%とされている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

#26 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 当局者は洋上風力発電所がハリケーンに耐えると明言せず

2023-04-30 03:28:07 | 日記

 

2023年04月30日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#22 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 当局者は洋上風力発電所がハリケーンに耐えると明言せず]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)局長リズ・クラインは、2023年4月26日、予算公聴会で、北東部での設置が計画されている洋上風力発電所が、カテゴリー2、3級のハリケーンに耐えることができるかどうかについて、米国下院議員クリストファー・スミス(共和党:ニュージャージー州第4選挙区)から質問を受け、明確に回答することが出来なかった。

予算公聴会においてクラインはBOEMが2024年予算に2億6,820万ドルを要求していると語った。

科学者は、建設段階において、海底に数千フィートの柱を打ち込むことで破壊的レヴェルの騒音が発生すると指摘している。

“クライスラー”ビルディング(最上階: 274メートル)ほどの大きさの巨大構造物の、ハリケーン、スーパー・ストーム、そしてノーイースター(米国東部やカナダの大西洋沿岸を襲う発達した温帯低気圧による嵐のこと)に対する耐久性等は、十分に調査分析がされていない。

2012年にカーネギー・メロン大学が行った調査では、カテゴリー3以上のハリケーンによって、場所によってはタービンの半分以上が破壊される可能性があり、非常に大きなリスクがあることがわかっている。

先に、ブルームバーグは、“自由の女神よりも高い風力タービンが倒壊する”と題し、タワーとブレードの故障により、米国とヨーロッパの製造業者が悩まされていることを伝えた。

デンマーク沖ではタービンの1つからブレードが落下した際、当該海域周辺を対象に海上交通の停止要請が出されたとの情報もある。

しかし、これらのタービンの破損、故障に関する公開されている業界全体のデータは存在していない。

また、米国海軍の船舶、商船、沿岸警備隊による捜索救助活動を含む船舶の航行は、レーダー干渉により著しく妨げられる可能性がある。

米国科学・工学・医学アカデミーは、2022年に“風力タービン発電が船舶レーダーに与える影響”というタイトルのリポートを発表し、風力タービン発電機が、船舶レーダーのマグネトロンとソリッドステートの両仕様を不明瞭にし、重大な干渉とシャドーイングを引き起こすと報告している。

地元の米国北東部沿岸地域は、洋上風力発電の開発が水棲生物などの生態系を破壊し、漁業や観光産業を荒廃させ、タービンを配置するための準備作業への懸念を表明する抗議団体を組織している。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする