2023年04月05日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[英国はロシア産白身魚輸入の高関税設定を評価する]
英国は、制裁措置としてロシア産白身魚の輸入関税を2022年7月に引き上げ35%を設定している。
一方、EUはこれに対し、加盟諸国の食品産業へ配慮し、ロシア産白身魚の輸入について制裁の対象から外している。
英国関係機関は今般、昨年2022年の直接貿易によるロシア産白身魚の輸入が21%減少したと発表した。
英国の当該輸入のタラ、コダラ、スケトウダラの約半分が、ノルウエーと中国からで、ロシアからの直接貿易の割合は8%まで低下した。
英国のフィッシュ&チップス業界の著名な企業は、ロシア産白身魚の代替の一部として、南アフリカのメルルーサの利用が増加傾向にあることを指摘している。
関税を含めると、ロシア産白身魚が英国市場で最も高価で11.5ドル/kgで、アイスランド産は8.86ドル/kg、中国産6.01ドル/kg、そしてノルウエー産が5.25ドル/kgドルとなっている。
ただし、この報告では、ロシアのスケトウダラ漁業が洋上でH&G(ドレス)を生産して中国へ輸出し、中国がそれを原料にフィレ加工、製品がヨーロッパ市場へ再輸出されることを主流としていることに言及がなく、英国の中国からのスケトウダラ製品輸入の原産を特定していない。
英国は 2022年に45億ドルの水産物製品を輸入した。
タラ、コダラ、スケトウダラの金額ベースのシェアは1/4で、数量ベースでは16万4,500トンに達している。
スケトウダラの輸入が最も伸びており、水産物流通業界の専門家は、高価なタラやコダラに取って代わりつつあると見ている。