2023年07月14日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[#42 洋上風力発電と漁業 海外の経験 アイルランド タラ産卵場への影響 金銭補償交渉へ]
日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。
アイルランドの国営送電事業者“アイルグリッド” (EirGrid)は、ウェックスフォード南の沿岸沖合における洋上風力発電プロジェクトが地元漁業者の生計に大きな影響を及ぼす可能性があることから、金銭補償交渉も含め積極的な対応に取り組むことを約束すると発表した。
洋上風力発電プロジェクトの計画が急加速したこの1年間、漁業者は自分たちの将来について、深刻な懸念を表明してきた経緯がある。
ウェックスフォードとウオーターフォードの南西沿岸のタラ資源の再生産にとって最も重要な産卵地が、洋上風力発電プロジェクト計画区域と重なっていることや、東部沿岸のツブ漁業への壊滅的影響が指摘されてきた。
これらの沿岸地域には、若い漁業者がいて、洋上風力発電プロジェクトが彼らの将来を変えてしまう可能性があり、彼らは、今後も漁業を営めるのか知る必要があると地元紙がリポートしている。