2023年07月05日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2023年5月 上昇し続けるロシアのフィッシュミール価格]
今年2023年1-2月のロシア漁業のフィッシュミールの平均価格は、トンあたり9万1,120ルーブルで前年2022年同期を10%下回っていたが、3月に急騰して10万6,010ルーブルとなり、その後も上昇を続け、4月に11万1,210ルーブル、そして5月に12万2,700ルーブルに達したことが確認された。
2012年から2013年の間、平均価格は、トンあたり3万ルーブル台だったが、2014年12月に5万ルーブルを記録すると、翌2015年1月には6万ルーブルを超え、以後、2019年までは平均7万ルーブル台で推移、2020年の平均価格は8万1,600ルーブル強、2021年には9万3,200ルーブル、そして、昨年2022年はウクライナ問題発生後の4月に、一気に価格は高騰、13万ルーブルを超えた後、8月から前年2021年同期並みまで下落を見せたが、平均価格は11%上回る10万3,680ルーブルの高値となった。
2023年6月13日付日刊みなと新聞は、世界のフィッシュミール生産の20%強を占める主要生産国ペルーの当局が同年6月8日、北中部海域のカタクチイワシの第1漁期(例年4月-8月)、試験操業による幼魚の混獲率が86.3%と高く、操業を開始しないと発表したことを受け、当該製品の価格高騰は必至だと伝え、動向が注目されるところとなっていた。
なお、ロシア漁業のフィッシュミール生産量は、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産を拡大、前年同期を12%上回り、昨年2022年は16万600トンに達し、今年2023年1月-4月についても、ほぼ前年同の6万2,370トンとなっている。