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一般社団法人北洋開発協会

ロシア科学研究機関 今漁期漁業予測“イワシ・サバ・サンマ 2023”を発表  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2023-07-31 11:19:41 | 日記

 

2023年07月28日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア科学研究機関 今漁期漁業予測“イワシ・サバ・サンマ 2023”を発表]

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、今年2023年漁期の表層漁業の期中予測となる“サルディナ・スクンブリャ・サイラ 2023”(Сардина, скумбрия, сайра -2023イワシ・サバ・サンマ 2023)を発表した。

この漁業予測は、同研究所太平洋支部チンロの専門家によって作成され、気象条件、主要漁場の海況の予測、資源動向とその評価等によって構成されている。

クリール海域における資源量は、イワシが増加傾向にあり、サバとサンマは減少傾向にあることが明確となっている。

今年2023年のロシアEEZでの科学的漁獲勧告量については、イワシ48万5,000トン、サバ25万トン、そしてサンマが9万トンと算定されている。

サバとイワシは、今年2023年5月、翌6月にかけて、北太平洋公海部に広く分布し、その後、小クリール列島(歯舞群島と色丹島)南側周辺海域で集約された。

同年7月には、サバとイワシがさらに広い範囲に広がり、海水温が上昇するにつれて、これらの資源はさらに北部海域に侵入した。

これらの資源の広がりと集約において、同年7月末のオホーツク海南部での形成動向が興味深いものとなっている。

南クリール海域の表層水温が最高に上昇する8月から9月には、サバとイワシが広い海域に分布するが、最も資源が集約されるのは択捉島の東と南東の黒潮の支流域で、11月上旬まで当該操業が行われることになる。

11月後半からサバの魚群がロシアEEZを出て日本のEEZへ向かい始めるが、漁獲量は昨年2022年程度の水準にとどまると予想される一方で、秋の後半には、1隻あたりのCPUEは増加する可能性がある。

イワシは表層漁業の漁獲量の大半を占め、北太平洋では冬の到来が遅く、資源は12月までロシアEEZ内に留まると予想されている。

サンマについては5月から6月にかけて、北太平洋公海部の亜寒帯前線海域で外国船による操業が行われたが、この間、ロシア漁船は当該操業を行わなかった。

7月から8月にかけて、サンマの魚群は徐々に北西に移動し、黒潮支流を経てさらに黒潮に沿って進むことになり、8月から9月にかけて、資源の大半は北クリール海域で集約されることになる。

中部クリール海域では8月上旬、商業漁業として利用可能なサンマ資源の集約が起き、8月下旬から9月にかけて北クリール海域、10月には南西へ、そして亜寒帯前線周辺に移動することになる。

 

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