2024年11月02日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[第54回ロシア・ノルウエー漁業委員会 2025年両国操業条件に合意 タラ25%減 カペリン漁業停止]
ロシア漁業庁は、通信を利用して第54回ロシア・ノルウエー漁業委員会が開催され、来年2025年の両国の漁獲割当等、操業条件を決める交渉に合意したと発表した。
ロシア政府代表をロシア漁業庁長官シェスタコフ、ノルウエー政府代表を所管副大臣が務めた。
シェスタコフは当該協定が北部地域における長期的かつ持続可能な海洋管理を保証し、バレンツ海の水棲生物資源の保全管理と合理的利用に貢献するための基礎となっていることを指摘した。
国際海洋探求会議ICESがウクライナの現状から一昨年2022年から、ロシアに対し、バレンツ海のタラ、ピクシャ等の漁獲勧告の公表を拒否しているため、両国は、来年2025年についても引き続きバレンツ海/北極北東部海域のタラ、ピクシャ等の両国の漁獲割当のための資源評価と配分を独自で設定した。
当該漁業委員会の合意に基づき、来年年2024年のバレンツ海/北部海域の共同管理TACとノルウエー国別割当は別表のとおりとなっている。
TACについては、タラが25%減、ピクシャ(コダラ)が7.8%減となった。
また、前年となる今年2024年、カペリン(カラフトシシャモ)に関しては、2018年以来最高で、昨年2023年の3倍以上の19万6,000トンの設定だったが、一転、来年2025年は再び漁業停止が計画されることとなった。
バレンツ海の生態系の変化が大きな影響を与えており、当該資源に何が起こっているのかを理解するため追加の科学研究が必要であることが改めて指摘されている。