ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア漁業ニュースヘッドライン 2024年11月  http://kisenren.com

2024-11-10 12:54:20 | 日記

    2024年11月01日

ユーザー  各位

 

拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、2024年10月29日、ロシア漁業庁は、1902年に設立された最も古い科学組織のひとつで、バルチック海を含む北東大西洋のすべての漁場における水棲生物資源に関する研究、調整を行い、毎年、漁獲勧告を承認している国際海洋探検会議(ICES)から脱退するための関連法に大統領プーチンが署名したと発表しました。

 ウクライナへの特別軍事作戦に関連し、ICESの活動へのロシアの参加が、2022年3月30日から停止されていた背景があり、昨年2023年5月、ロシア漁業庁長官シェスタコフは、北極域の水棲生物資源の管理と合理的利用等に関する国際会議出席のための出張中のアルハンゲリスクにおいて、ICESがロシアのメンバーシップを完全に回復させない場合、これを脱退する可能性があると、既に表明していました。シェスタコフは、近年、ICESが政治的に関与するようになり、共通の利益のために機能しなくなって、特定の国々の利益のみを考慮して、規制メカニズムを提供していると指摘、北極圏やロシアなどの重要な地域に関わる組織との作業や協議は行われていないと言及し、この分野での協力協定を結んだ国々と行動を共にすると述べ、例えば中国もこれにあたると加えています。

 今月号においては、関係国の海域をまたがる水棲生物資源にアプローチする漁業分野の国際科学研究組織における亀裂、ロシア漁業の対応、政策等に関する情報をとりまとめ  TopNews としてご報告申し上げます。

 なお、11月中旬以降、日ロ漁業委員会第41回会議の開催が見込まれていて、報告担当者も当該漁業委員会に交渉団随行員として参加の可能性があり、例年どおり、12月号は新年1月号との合併号とさせていただきます。今年も変わらぬご愛顧をいただき、誠にありがとうございました。

                                                         敬具

(国際漁業対策事業部;原口聖二)

 

 

TopNews ロシア ICES脱退関連法に大統領プーチン署名

・ロシア ICES脱退 “政治に関与するICESは必要ない”(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外16件)

・ロシア バレンツカニ漁獲割当オークション第2弾設定(投資クオータ/漁獲割当オークション関連外7件)

・ロシア漁業者漁獲量 394万6,600トンとなる(ロシア漁業生産/貿易動向関連外14件)

・ロシア農業省 来年2025年スケトウダラ海域別TAC承認(スケトウダラ・マダラ・ニシン等操業関連外4件)

・2024年漁期 ロシア漁業者太平洋サケマス操業概況(太平洋サケマス操業関連24件)

・2024年漁期 ロシア漁業者イワシ・サバ/外国人漁業者操業概況(イワシ・サバ・サンマ操業関連10件)

・“アストロブノイ”所属漁船 計40件の操業情報通報ミス(ロシアFOC/IUU取締情報関連外2件)

・米国トライデント コディアック加工場売却大筋合意(その他ロシア漁業関連情報等外8件)

・韓国冷凍スケトウダラ市場動向 2024年10月平均水準維持(韓国スケトウダラ市場関連)

・日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(韓国漁業関連外1件)

・漁業権が英国とEUとの新たな交渉の鍵となる(ポスト英国EU離脱Brexit関連外1件)

・スコットランド“もう十分話し合った”浮体式は漁業を破壊する(洋上風力発電と漁業 海外の経験外6件)

 

計104オリジナル報告

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ロシア 北部海域(バレンツ海)カニ漁獲割当オークション第2弾 応札に不透明感

2024-11-10 12:33:05 | 日記

 

2024年11月08日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 北部海域(バレンツ海)カニ漁獲割当オークション第2弾 応札に不透明感]

ロシア漁業庁は、2022年に実施が用意された後、開催が延期されていた北部海域(バレンツ海)カニ漁獲割当オークション第2弾を、2024年11月13日に行うと発表した。
上場されるのは向う15年間のタラバガニ漁獲割当5ロットとなっており、3ロットは全長50m以上のカニ漁船建造、2ロットは大規模物流複合施設建設のそれぞれ付帯プロジェクトの実行が義務付けされている。

スタート・プライスは128億ルーブル以上で、参加申請期限は同年11月11日となっている。

同年12月20日までに契約を結んだ企業は、来年2025年年1月1日からタラバガニを漁獲する権利を得る。

ムルマンスクでは、カニ大手生産者グループ“アンテイ”(Антей)とロシア”北西部漁業会社SZRK-ムルマンスク“(Северо-западная  рыбопромышленная  компания - Мурманск)が参加する可能性があるものの、実際に応札されるか不透明な状況が伝えられている。

このカニ漁獲割当オークション第2弾のスタート・プライスが、2019年に行われた第1弾の3倍になっており、落札額は最低でも2.1倍になると見込まれ、この大規模な負荷が与える漁業経営への悪影響、当該オークションへの関心の低下が指摘されている。

バレンツ海カニ漁獲割当オークション第1弾は2019年に実施された。

2019年の第1弾では、バレンツ海のタラバガニTAC設定の50%、5ロットが上場され、スタート・プライスが44億ルーブル、落札者は、計308億ルーブルを支払うこととなった。

今年2024年の第2弾では、残りの50%、5ロットが上場され、スタート・プライスが3倍の128億2,000万ルーブルに設定されており、落札額は少なくても641億ルーブル、2.1倍になると見込まれている。

しかし、2020年のバレンツ海のTAC設定は1万940トンで、来年2025年が1万2,690トンであり、16%しか増加していない。

“SZRK-ムルマンスク”の代表者は、中央銀行の高金利と莫大な金額の金融債務の発生から、示されたオークションのプライスは非現実的だと述べ、このようなオークションを開催することは、今の時代にあって、まったく狂ったアイディアだと言及、一度、立ち止まる必要があると加えている。

落札者に義務付けされている漁船建造費は40億ルーブルであり、実質的な各ロットのコストは170億ルーブルに達することになる。

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ロシア 2024年第1四半期 冷凍カニ製品国内市場 前年同期比4倍

2024-11-10 09:48:54 | 日記

 

2024年11月08日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 2024年第1四半期 冷凍カニ製品国内市場 前年同期比4倍]

今年2024年第1四半期、極東地方とムルマンスクからの冷凍カニ製品の国内市場への供給量は、前年2023年同期比の4倍となった。

特に、ムルマンスクからのズワイガニ(オピリオ)のボイル冷凍製品の供給が貢献していると、ロシア小売企業協会(Ассоциация компаний розничной торговли:АКОРТ)代表イーゴリ・カラバエフは指摘している。

米国は、2022年7月、ロシアからの水産物製品の輸入を全面禁止し、更に2023年12月には、第3国が加工した製品についても、ロシア原産水産物の輸入を禁止する追加制裁措置をとっている。   

米国市場に依存度が高かった北部バレンツ海産カニ製品については代替市場開拓が必要となっている。

ロシア中央部・西部では、冷凍ボイルのオピリオの爪の400gパックが600-700ルーブルで購入が可能であり、消費者にとってより入手しやすいマーチャンダイジングとなっている。

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