2024年11月05日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[“またがり資源”NPFC管理魚種サンマ 来年2025年北海道接続クリール海域漁獲勧告]
ロシア漁業庁は、北海道に接続するクリール海域の“またがり資源”(NPFC対象魚種)で非TAC魚種のサンマの来年2025年の漁獲勧告量を、今般、別表のとおり発表した。
今年2024漁期前となる同年2月、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、サンマ資源が、今後数年内に伝統的漁場だった南クリール海域に戻るとの中長期予想を示した。
昨年2023年の北西太平洋における夏から秋のサンマ資源の分布の大きな特徴は、2016年-2022年と同様、沿岸から遠く沖合で形成されたことにあるが、8月-9月にかけて索餌回遊のためにクリール列島の中央部と北部、カムチャツカ半島、コマンドル諸島、そしてアリューシャン列島の沿岸に近づいた。
8月-9月、カムチャツカ半島沖で、サンマ資源の集約が、別の魚種を対象として操業を行っていたロシア漁船によって偶然発見された。
ここ数年、伝統的漁場だったクリール列島南部海域に接近するサンマ資源は非常に少ない。
しかし、一方で昨年2023年10月上旬、クリール列島の南約160マイル離れた親潮第2分枝域にサンマ資源が小規模ながら集約され、色丹島海域では日本漁船によって少量ながら漁獲が行われた。
また、歯舞群島の西側、オホーツク海日本EEZでも、10月、日本漁船がサンマ操業を行ったとした上で、これは、ここ数年で従来の生息地に戻って繁殖するサンマ資源が増加していることを示しているとヴニロは指摘、今年2024年漁期も、その兆候と言える状況が散見されている。