名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

NHKクローズアップ現代「廃墟巡りの旅」を見て

2010年04月13日 | セカンドルーム

 

昨日、クローズアップ現代で、「大人気、廃墟巡りの旅」を放映していた。
映像で見た、軍艦島や旧日本軍の化学工場の迫力に圧倒された。
最近は廃墟の価値が見直され、見学ツアーが若者の間で人気を得ているとのことだ。
かつて栄えた場所に足を運び、高度成長を支えてきた産業遺産から価値を見出すのだと、コメンテーターは語っていた。

飛騨には、草木に覆われた鉱山跡や、半ば土砂に埋没した古い砂防堰などが多く残っている。
その大半は、世間から再び脚光を浴びることも、保護されることも無く、役割を終えて朽ち果てていく。
廃墟マニアではないが、かって繁栄した場所に足を運び、滅びていく姿を見ながら往時を偲び、思いを巡らす事が好きで、野山を分け入って訪ねている。
東洋一の規模を誇った旧神岡鉱山は、数百年にわたって削り取られた山や、工場、学校、住宅、神社などが、廃墟と化して今も残っている。
乗鞍山中の平金鉱山跡には、水力発電の導水路や鉱口がわずかに痕跡をとどめているだけで、かつて町や芝居小屋、遊郭があったこは、想像すら出来ない。
昭和初期に築造された、焼岳を水源とする「岩坪谷」に残る3基の砂防堰は、半ば土砂に埋まりながらも、いまだに役割を果たしている姿は感動的であった。
近代砂防のはじめの一歩といわれながら、飛騨でもその存在を知る人は少ない。
廃墟を物見遊山の対象とするのは賛成出来ないが、そこで何が行われ、そこに携わった人たちは、どんな思いでいたかを知ることは、繁栄を享受した我々の務めかも知れない。
自然破壊や、朝鮮半島の人たちの犠牲、麓や下流に暮らす人たちの公害病など、若い人たちが負の部分を学べば、多くの廃墟も浮かばれることだろう。

コメント (4)
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