朝8時に、鍬とスコップ、じょれんにお茶などを積んで、田んぼへ向かった。
昨日の続きの作業で、畦の側面と上部を削って形を整えながら、崩れたり穴が開いた所を補修していく。
猪が餌のミミズを掘って崩した跡や、モグラが開けた穴があちこちにあるので、土を盛ったり穴を塞ぐ作業だ。
畦の補修が終われば、田を起こし、水を張って代かきをした後に、田の泥をすくって畦に塗りつけていく。
この畦塗りで水漏れを防ぎ、雑草の繁殖もいくらか抑えられる。
米作りは、土工の次は左官の仕事と、いろいろな作業が次々に待っている。
一休みしていたら、ユキの目が点になっていたので、視線の先を追うとカモシカがこちらを窺がっていた。
先日も同じ場所に、2頭のカモシカがいたので、ここを縄張りにしている夫婦か親子なのだろう。
不思議なことにユキは、カモシカには吠えたり、敵意を剥き出しにすることは無い。
今までに何度も、至近距離で遭遇しているので、お互いに警戒心を持たずに、挨拶を交わせる仲になっているようだ。
今日は10mほど離れていたので、ユキはすぐに興味を示さなくなってしまったが、カモシカはいつまでもこちらの様子を見ていた。
天気予報通り、お昼近くになって雨が降り始めたし、田の4辺の畦の補修も終わったので、今日の作業は切り上げることにした。
久しぶりにモチベーションが高まってきたが、冷たい雨には勝てない。
今は、猫の手を借りたいほど忙しい時期で、近所の人たちは、雨合羽に菅笠で仕事を続けている。
猫の額ほどの田んぼなので、天気が良くなれば遅れはすぐ取り戻せると、いつものんびり構えてしまう。